美容界の発展著しい昨今、皮膚切除やヒアルロン酸、ボトックス、糸などの異物注入以外にも、超音波やラジオ波によるたるみ改善、自らの血液を利用した皮膚再生など、現場では日々様々な若返り術が考案・実践されている。それらの施術によって確かな美貌を得ることができるのであれば、金銭的余裕のある人々が効果を期待して施術に挑むこと自体は悪いことではない。ただ、副作用や数年後、数十年後の肉体にどのような影響を及ぼすかはわからない。
若さを維持したいという個人的な欲望と、その欲望を生む、老化(“劣化”)を極端に蔑む社会背景により、美の基準が歪んでしまう人々。年齢に応じて顔や体型、そして考え方や価値観、ライフスタイルなどが変化していく方がごく自然だと思うのだが、平子はこのまま“変わらぬ美しさ”を保つことを望むのだろうか?
(犬咲マコト)
1 2