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〈昔の女性はできていた〉と巷でうたわれている、女性特有の機能があります。それが、〈経血コントロール〉。
生理のときに流れ出る〈経血〉は、紙ナプキンかタンポンなどに吸収させるのが一般的です。ところがそれを、たれ流し状態の〈おもらし〉と呼び、〈本来は骨盤底筋の力で尿のように排泄をコントロールできていた=経血コントロールができるハズ〉というのです。平たく言うとおしっこのように体内に一定時間ためておき、トイレでジャーッと経血を出すのが当たり前であるとのこと。
実はこれまでに紹介した布ナプキンもジェムリンガも、〈経血コントロール〉に役立つとうたわれているアイテム! ネットをざっと検索してみると、子宮や卵巣の声に耳を傾け(なんじゃそりゃ)、女性の体の神秘を日々実感したいという人たちが、経血コントロールを推しているようです。そして皆、口をそろえて言う決まり文句が「昔の女性は、できていたんです」。
ま、マジか! でもそれができるなら、花電車(性器を使ったお座敷芸)って、そこまで特殊技能じゃないってこと!? それになぜ、生理用品が古代から存在し、現在ここまで進化してきたのでしょうか。
そんな疑問から、経血コントロールの元ネタをたどってみることにしました。するとどうやら、『昔の女性はできていた―忘れられている女性の身体に“在る”力』(三砂ちずる・宝島社)というそのままズバリの本が元ネタのよう。

Amazonより
ということで、さっそくんでみると……昔の女もできてないじゃん! 何度読んでも、ほとんどできていない。えええー。
本書では、1997年に岡山の医師から〈90代以上の女性たち(つまり明治生まれ)は、月経血コントロールができていた〉という話しを聞いた著者が興味を持ち始め、日本全国で聞き取り調査を行ったものがまとめられています。そして登場するのは90代から30代までの女性、計30名弱。この時点で90歳以上の女性が混ざっているのはさておきで、注目すべきはこの中で〈できていた〉と明確に語っているのは、なんとたったの2名だということ! サンプル数、少なくないか!?