AVで●●はご法度なんです
そもそもAVとは「エッチを見せる作品」であって、作品を作る上での“エロパフォーマンス”が含まれていることは、否めなかったりします。これはAV製作に携わる、私の本音でもあります。
実際に相手と触れ合うことができない「動画」という形で、どうしたら相手に興奮してもらえるのか――そう考えると、どんな人にでもわかりやすく興奮してもらえるように声を大きく出したりと、気持ち良さの表現を、いつも以上に大きくしてしまいます。そして、激しくフェラをすることにも抵抗がなくなったりするんです。
もしプライベートだったら、「こんなに積極的にやったらひかれるかな……」なんて不安を抱いて躊躇してしまうことも、AVだからこそ実現できる場合もあったりします。「これはAVの中だけで当り前になっていることでしょ」と思うプレイって、考え直してみるとたくさんあるような……(職業病で、何が普通なのかも麻痺している私……喝!)。
「女優さんの喘ぎ声が大きい」というのは、AVを見た方の感想のひとつなのかもしれません。ちなみにAVでは、無音という状況があまり許されていないのです。口の中に射精される時も、ローションなどを塗られている時も、小刻みに「あっ」なんていう声や吐息を発してほしいと、監督に要望されることがあるんです。普段、恋人とHをしている時にはお互いが気にすることではない「音」ですよね。だからこそ「あれ、意外と声出さないんだな……」と現実とAVのギャップを大きく感じてしまう人も多いのではないでしょうか。撮影中に空調を全部切って音をこぼさずに収録する現場の姿勢も、こうした「音」へのこだわりが大きいからなのではないかなと私は思っています。