これぞという証拠がないにもかかわらず、すっかり〈昔の女性はできていた〉ことになっている経血コントロールの概要は、前回の記事でお伝えしたとおりです。今回は、それが世の中ではどうなっているのか? を楽しくウォッチングしていきましょう。
まずテレビでは、昨年NHKの『あさイチ』でかなり肯定的に紹介されていた模様。これに対するネット上の反響を見てみると、報道を喜んでいるのは一部の推進派で、多くの人はわたしと同様「生理が軽くなるというエビデンスは?」「じゃあなぜ紙ナプキンが進化したの?」という疑問を持つ人が少なくありませんでした。さらに鋭いご意見では「病気で月経血が子宮内なり腟内にたまり続けると普通はお腹が痛くなるもの。なのにどうして経血を体内にキープする=生理痛が軽くなると言えるのか謎」「女に芸をさせる女が多いよね」というものも。
しかしそんな冷静な視線がある一方で、巷には〈経血コントロール布教〉がはびこっていました。その一部を、次にご紹介します。
おまたぢからを満開に
元看護士である立花杏衣加(たちばな あいか、旧名ふゆ)さんは、経血コントロールを〈おまたぢから〉と命名。注目を集めるにはインパクトのあるネーミングが重要なので、思わずのけぞるこの名称は、ある意味正解でしょう。少し話がそれますが、ネーミングといえばジェムリンガの方たちは膣を〈ホト〉と呼び、子宮にフォーカスした活動をする方々の肩書は〈エナビューティスト〉……何となく上品に聞こえる言葉を使って(この場合は古語ですね)、下ネタをオブラートに包む作戦でしょうか。透けてるけど。
何だかこういう名称を目にするたびに、80年代の『飛べ ファッキンバード』(福田陽一郎著)というギャグ漫画を思い出すんだよなあ。漫画のストーリーは〈「オマンコ」と連呼する鳥が発生したため日本政府がオマンコ改名実施法を施行して女性器の名称をパロンとする。ところが阿呆な名称に、国民の不満が爆発する〉という世にもくだらない展開。そうなんです、阿呆な名称を聞かされ続けると、ジワジワと疲弊するんですよねえ……。