連載

おまたぢからに月経アドバイザー、経血コントロール推しによる謎布教の数々

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 さて話を戻し、前出の立花さんが主宰する〈経血コントロール講師養成講座〉を受講すると、おまたマスターなる称号が与えられます。講座の紹介ページには、こんな応援メッセージがありました。

「おまたマスターになって、女性の体を自然体に戻す活動をぜひ広げてくださいね」

 珍芸レベルの活動が、自然体! ナチュラルメイクが、実際は作り込まれた〈自然に見えるメイク〉である、あの感じでありましょうか。この講座ではお約束どおり「紙ナプキンが子宮を冷やす!」理論も大プッシュ。おまた(笑)のゆるさを改善する前に、理論のゆるさも引き締めてはいかがでしょうかと心配になります。まあカメに幼児語で話しかける自分も、頭が大分ゆるいのかもしれませんが。

 実際この講座を受けた人は、どうなのでしょう。検索すると、自立できる子どもを育てる「東大脳コーチング」広めている谷亜由未さんもこの講座の受講者でした。高学歴な子どもを育てあげた女性は、こう綴っています。

「生理の血は紙ナプキンに出すもの、というのは現代女性の思い込みだったんです」
「経血をたくさん吸収するケミカルナプキン(紙ナプキン)をあて続けていることで再び経血が子宮に吸収されて子宮が冷えたり経血が固まったり化学反応を起こしたり…」
HPより引用

 ひええ。謎理論をまるっと信じておりますよ! 〈飲んでも害のない洗剤〉とかも信じてしまいそうですね。うーむ、この方のコーチング大丈夫なのか。

 さらに〈おまた班〉は、まだまだ他にも。看護学校で非常勤講師を務める傍ら、経血コントロール布教を行っている柿沼りえさんも、ニックネームは〈おまた番長〉です。

 月経アドバイザー資格

 セラピストを養成している〈ココカラ堂〉では、〈月経アドバイザー〉なる資格を発行。同施設の運営者であるママぞうさんは、経血コントロールを〈月経力〉とネーミングしているのが特徴です。○○力。汎用性のある便利な言葉ですよね。「女子力」「大人力」「鈍感力」etc.という言葉の使われ方から考えると、〈クオリティの高い月経〉ということでしょうか? 本来月経に必要なのは、ホルモンが順調に分泌され、トラブルなく子宮内膜が剥がれ落ちること。しかし、ママぞうさんの言う月経力とは〈月経(生理)の血をトイレで出す力〉とのこと。

「うんちやおしっこと同じように自分の力で排泄できる、当り前の力です」

 何だかそのうち、汗や角質、ヌケ毛なども自分でコントロールできる! と言い出す人が表れそうな勢いです。まあこれくらいでないと布教者は務まらないのかもしれません。

 ちなみに〈月経アドバイザー〉とは、楽しい月経の過ごし方や女性である自分を愛する生き方を伝えるアドバイザーだそうですが、1講座につき1万5000円を支払い(全8~10講座)、その後どこで役立つのかよく分かりません。医学的根拠を保証する知識・技術でもなく、伝統や文化でもない。趣味のサークル的な団体が発行する資格や講師の肩書は、〈なめ猫免許証〉(なめられたら無効)や、〈カッパ捕獲許可証〉(キュウリでカッパ釣りしていいそうですヨ!)とほぼ同カテゴリー。それなのに〈講師・資格〉という言葉をエサに受講生を募るのも、その講座を受けるのもなんだかなあ。

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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