お次は布教者ではなく、一般の方を見てみましょう。かの有名な発言小町では「月経血コントロールを身に着けて、体を自然体にしたい」なるトピックスがあります(あまりにドンピシャ過ぎて、釣りかと思ったわ)。このトピ主が経血コントロールに興味を持つようになったきっかけは、悩みの種であった過敏性腸症候群を自己啓発本(ディーパック チョプラ「富と成功をもたらす7つの法則」)と出会ったことで受け入れられるようになり、ココロが軽くなり症状が消えたからだとか。
〈病は気から〉を実感したため、自分でコントロールしようという経血コントロールで生理痛を改善できるのではと思ったそう。正直何を言ってるのかよくわかりませんが、宇宙! とか神秘! とかがお好きそうな気配は伝わってきました。トピックスのタイトルはアレですが、結局のところプラセボ効果を期待しているようですので、ある意味正しい利用法なのかも。〈自分の体にいかに手をかけてあげているか〉が精神安定になるタイプの人は、経血コントロールと相性がよさそうだということですね。
非常にざっくりで恐縮ですが、以上がわたしの印象に残った、巷の経血コントロール模様です。
いずれも〈昔の女性はできていた〉から発生したムーブメントでありますが、生理用品を研究している歴史社会学者・田中ひかるさんいわく「月経に関する古今東西の資料を渉猟してきましたが、女性が経血をコントロールしていたという記述には出会ったことがありません」と語っています。このようなコメントが出てくるなか、幻の女性機能をめぐる珍道中は今後一体どこへ向かっていくのでしょうか。経血コントロールによって女性の機能が進化するのか暮らしが退化するのか分かりませんが、とりあえず珍布教ウォッチングは、当分楽しめそうではあります。
(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)