男女非対称な妊娠の「責任」
このお話は、妊娠が「おめでたいこと」から一転して女性のリスクになるこの世の不公平を如実に示しています。認知や養育費の請求に関する知識なんて、ググればすぐに得られるものですが、女性側の思い込み(自分で勝手に子供を産む場合は、養育費請求ができないんでは? とか)や、そもそも情報収集や行政・法律等と連携することを思いつかない場合には、男性が全逃げする余地が生まれてしまいます。
先日とりあげた『最貧困女子』(幻冬舎)という本でも、文章を読んだり、手続きをおこなったりすることが極端に苦手な女性が、受けられるハズの社会保障にアクセスできず貧困に陥るという事例が紹介されています。そうしたタイプの女性の場合、裁判や請求の煩雑さを想像するだけで、諦めてしまうこともあるでしょう。子供を産んだ後の収入はどうするんだ、職場に復帰できるのか、などお姉さんを悩ませる問題は尽きません。
それに対して、結婚せず認知だけする場合、男性は毎月養育費を払うだけでひとまず責任が果たされることになってしまう。これはどう考えてもアンバランスでしょ~。すぐさま沢尻エリカを召喚して男性を「認知くん」と罵ってもらうぐらいの制裁は加えても良い気がしますし、真面目に考えると「父親であるという責任からは逃れられないから、覚悟しろ」ということを男性一般に広く周知しなきゃいけませんよね(自分に息子がいたら、絶対教えたい)。
しかしながら、どうして「できちゃった」途端に男性は豹変するんでしょうか。そんなに「妊娠」「子育て」「結婚」が怖いんでしょうか。もしかしたらギャンブル狂いだったり、過去にいれあげたキャバ嬢に貢いだせいで借金まみれだったりして本当にお金がないのかもしれないし、他にも付き合っている人がいたのかもれないし、実は離婚歴があって前妻への多額の慰謝料があるのかもしれない。それでもセックスして子供が出来ている以上、男側の責任が消えることは一生ないですし、逃げ切ることもできませんけどね。
そういえば、messy編集長が以前、「男ってみんなサイコパスなんじゃないの?」と言っていました。ホントにそうなのかも。
■カエターノ・武野・コインブラ /80年代生まれ。福島県出身。日本のインターネット黎明期より日記サイト・ブログを運営し、とくに有名になることなく、現職(営業系)。本業では、自社商品の販売促進や販売データ分析に従事している。