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スパルタ教育は父の愛?ふるさとの思い出「筑前煮」

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こんにちは。みなさまいかがお過ごしでしょうか? 自意識和代でございます。
仕事だ! クリスマスだ! 忘年会だ!……と忙しい年末をお過ごしでしょうか。
師も走る師走と言いますが、最近私は走るわけでもなく歩いております。
友人の影響でウォーキングを始めたのです。
「ウォーキングいいよ~。無心になれるよ」だそうで。
友人は1日5時間歩くそうです。
5時間!? と思いましたが、確かに1時間歩いたくらいでは無心にはなれません。
友人も私も煩悩や雑念が多いのでしょうか。
1日1時間のウォーキングを始めて(時折サボりつつ)2週間という状態です。
サボり? 3日分くらいですかね。
ウォーキング始めました! と言うにはしょぼい状態ですね。
やる気を保つべく、折り返し地点付近で発見したコーヒー屋さんに寄っています。
いちいちコーヒー屋に寄るあたりが「本当にやる気あんのか?」という感じですね。
にしても、歩くだけで随分気持ちがスッキリするものなんですね。
また、お尻が張ってきたような気もしています。
これまで本当に運動も散歩もしなかったので、尻筋肉が驚いているのでしょう。

大人になってからすっかり運動をしなくなってしまった私ですが、小さい頃は早朝のジョギングをしていました。
むか~しむかしのことじゃった……。

~回想~

「起床! 起床~!!」
父の声で叩き起こされる日曜の朝。
小学3年の私はモソモソと起きて着替えて外へ。
日曜の朝はマラソンというのが習慣になっていました。
当時私の家は長崎県のとある河口付近にありました。
山の方を見やると川に何本か橋がかかっています。
そのいくつかの橋が距離を測る目安になっていました。
家から1本目の橋まで1.5kmくらいだったかと思います。
1本目の橋に到着すると、
「いいか、父さんは向こう側の橋まで行ってくるからお前はここから1人で走って帰れよ?」
と言って父は3本目の橋あたりを目指して走り出し、私は解放されます。
解放されたとはいえ、少なくとも行きで1.5km、帰りでも1.5km。合計3km走るというわけです。
ちぇっ。お父さんめ……。
ただでさえ通学で片道45分かけて歩いているのに。日曜なのに。
すっすっ はっはっ
すっすっ はっはっ
ぜいぜい ぜいぜい
ぜいぜい ぜいぜい
そんなわけで強制的に始まったマラソン習慣でしたが、密かな楽しみがありました。
ヨーグルトドリンクです。
行き道は両側に川が流れている一本道なので逃げようがありませんが、帰り道は橋を渡って山側になっています。
山側の道には住宅があり、もうすぐ家だぞ……という地点にポツンと自動販売機があったのです。
初めは通り過ぎていましたが、ある日足を止めてみました。
紙パックのヨーグルトドリンク。60~70円くらいだったでしょうか。
「う……うまい……」
時々そうやって帰り道に飲み物を買って飲む事がマラソンの楽しみになりました。
「あの橋を渡って走ればあれが飲める……」
すっすっ はっはっ
すっすっ はっはっ
すっすっ はっはっ
すっすっ はっはっ
そのうち父がいなくても走るようになりました。
ですが、そのうち自動販売機から家までの道を歩くようになりました。
そのうち自動販売機の姿が消え、新しい自動販売機が設置されました。
「え!?」
あのヨーグルト味の……もう飲めないんだ……
新しい自動販売機の飲み物を見ても何故か私の心はワクワクしませんでした。
私はジョギングからフェイドアウトしてしまいました。
そんなもんなくても走り続けろよってね。

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自意識和代

人の好意をなかなか信じられず、褒め言葉はとりあえず疑ってかかる。逆にけなし言葉をかけられて「なんて率直なんだ!」と心を開くことがある。社交辞令より愛あるdis。愛がなければただのdis。凹んじゃうよ! ラブリーかつ面倒なアラフォーかまってちゃんである。