母の性欲以上に衝撃的だった“クリトリス”という名称
当時小5の私にとって“夫婦のセックス”特集号の中身は刺激が強いものでした。この頃の私は、まだセックスに関する知識が非常にぼんやりとしていたので、イラストを用いて解説されるセックス体位やハウツーに衝撃を受けたのです。「正常位」「後背位」「側位」などの名称もこの時に初めて知りましたし、“感じるポイント”の紹介としてまんまんのパーツが詳しく描かれている図を見てクリトリスの役割を心得ることができました。それまで、クリトリスは友達の間で「引っ張ると伸びるところ」と呼ばれていました。「クリトリス」とか、カタカナでなんかカッコイイ……! 私が翌日友達にそれを広めたことは言うまでもありません。
こうして母の愛読書でセックスの知識を手に入れた私は、高1になった時に弟の性への目覚めを目の当たりにしました。当時小6だった弟は、ある休日に昼寝から目覚めると、父と私が寛いでいるリビングへとやってきました。そして、「ちんこからなんか出てきてパンツ濡れた」と爆弾発言を繰り出しました。当時の私はすでにセックスを経験し、様々な性知識も得ていたので、すぐに弟が夢精を経験したのだと悟りました。対して弟には性知識がほとんどなかったのだと思います。いまの私であれば、「夢精したんだ、ウケる~」とデリカシーなく笑い飛ばすはずです。しかし、高1の私にとって家族の前での下ネタは絶対的タブーだったので、弟の夢精報告には無言を貫くほかありませんでした。
が、そこで、弟と同じ男であり、彼の気持ちがよくわかるであろう父が「栗の花の匂いしただろ?」と一言。精液の匂いを表現する時によく漂白剤やイカなどが例えに挙がりますが、父のチョイスは栗の花でした。私が「うわーコイツ言いやがった」と父にドン引きしていると、弟は「栗の花の匂いわかんない」と無邪気な返答。その後、父は弟に「パンツ洗ってこい」と伝えていました。もしここに母がいたらまた違った展開になっていたかもしれませんし、父と息子ならではのやりとりかもしれません。
当時は嫌悪感を覚えた母や弟の性の部分も、いまとなっては家族のよき思い出の1ページ。なお、このコラムを書いていて、ビッチな姉の存在というものは弟のセックス観に何か影響を及ぼしているのではとふと思い立ち、コラムのネタ収集のため現在23歳の弟に「今度セックス観について教えてくんない?」とLINEしましたが既読スルーされています。かつては「ちんこからなんか出てきてパンツ濡れた」と教えてくれた弟も変わってしまったのかもしれません……。
■Lollipop-Rumiko(ロリポップ-ルミコ)/通称ロリルミ。中学1年で済ませた初体験を皮切りにビッチ街道を突っ走ってきたが、ここ数年それに疑問を感じ始めている26歳。しかしまだ完全にビッチを卒業することはできず。好きな男性のタイプは、ちょっとSなクンニスト。最近の悩みは、夕方になるにつれてクッキリしてくるほうれい線と、過度の飲酒と白米の食べ過ぎによってできた腰回りのぜい肉。
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