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韓流インタビュー名物「多すぎるNG質問」、ちょっとバカにしすぎじゃない?

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KOREA69

あれもダメ、これもダメは困る〜。Photo by Jennifer Moo from Flickr

 今年もいろいろK-POPアイドルや韓流俳優にインタビューする機会がありました。最近は「インタビューの前に質問リストを提出してください」というケースがほんとうに増えましたね。というか取材時のデフォルトになりつつあって少々不満です。あれ、本当に必要なんでしょうか?

 そりゃね~、おかしな質問をぶっこんでくるインタビュアーや媒体を水際でチェックしたいという事務所さんやメーカーさんの意図はわからんでもありません。以前、聞いてみたことがあるんです、「変な質問をするところが本当にあるんですか?」って。

「やっぱり、竹島のこととか、日韓関係について、聞いてくる媒体がたまにいるんですよね……」(CS局関係者)

 まぁねぇ、韓流ブームやK-POPブームまっさかりで、あまたの媒体の取材が殺到するような時代には、そんな危険もあったかもしれませんけど(遠い目)。いまでは媒体の数も限られてきましたし、そんな政治的な質問を繰り返すところは〈出禁〉にされるはずなので、過剰防衛じゃないかなぁという気がするんですよね。

 あと、聞いてほしくないことのド定番が、恋愛関係。特にK-POPアイドルでは質問に「×」されることが多いです。「理想の女性のタイプは?」はかろうじてOKでも、たとえば「かくかくしかじかの恋愛のシチュエーションになったら、どうしますか?」みたいなのはNGという場合、よくあります。楽曲の歌詞で高らかに恋だの愛だの歌っているのに、恋愛についてちょっとツッコんだ質問に答えられないって、どうなんですかね?

 いえね、「いま誰とつき合ってるんですか?」「これまで何人と恋愛しましたか?」とか聞いてるわけじゃないんですよ。こちらもリアルにそんなこと詳しく知らなくてよいんでね。ただ、アイドルゆえに現在進行形の恋はマズイとしても、いくらでも想像するなり、昔の話を仮の話に仕立てるなり、うまく切り返してくださいよー、と思うわけなんです。

 その切り返し方しだいで、お、こいつデキるな、とか、ほんとに彼は経験がないのかもね、と読む側が想像できればよいんですから。自分たちはファンとの〈恋愛〉を売り物にしているのに、恋愛について具体的な話がひとつもできないアイドルなんて、つまらなくありません?

実はアドリブ力あり!

 そういえば、ある俳優のときは「彼はアドリブがききませんので、提出されてOKになった質問以外は絶対に聞かないでください!」と、映画宣伝の担当者からインタビュー前におそろしい戒厳令をしかれたこともありましたねぇ。どうやら、台本のように質問と回答のセットを事前に頭にたたきこんでからインタビューに臨むみたいですよ。

 しかし、当の俳優に気をつかってのことだとは思いますが、あまりに彼のことをバカにしすぎじゃありませんか? 韓国の俳優たちは本国でドラマや映画に出演するたび、必ず製作発表会に出席します。本国の製作発表会はそれこそノールール。もちろん事前に質問リストを提出なんてしませんし、かなりエグい質問が記者からバンバン飛ぶこともしばしばで、主演クラスの俳優はそれを生き抜いて、ここまで来ているのです。

 だから、アドリブできませんといってもレベルが違います。現に、そのインタビューでも、話の流れから、ほかの質問も出ましたが、彼は楽しそうに受け答えしていましたよ。むしろ、彼をでくのぼう扱いしているのは宣伝サイドのほう。無駄に俳優を守ろうとピリピリして、インタビューをつまらなくする最たる例でした。

 でも、ほとんどのインタビューで、マネージャーや事務所の関係者がインタビューを横で真面目に聞いていることはありません。みんなすぐに飽きちゃって(笑)、楽屋でお菓子をつまんでいたり、スマホをいじっていたり……。事前に提出した質問リストに本人も事務所もまったく目を通していないケースも多いので、何のためにコレやってんのかな、と不可思議な気分になるのです。お互い面倒ですし、来年からいっそやめちゃいませんか?

 

今週の当番=風田チヌ
質問リストの事前提出なし、原稿チェックなし、写真チェックなし、の牧歌的な時代がなつかしい。制限が増えれば増えるほど、面白いモノづくりができなくなるんですけどね。

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