
バスソルトなんて、ぬるいぬるい~。 Photo by Naturally You Skin Care from Flickr
邪気払いの特効薬として、スピ界になくてはならないであろう、塩。新たな年を迎えた今、塩パワーで厄も不運も煩悩もがっつり大デトックスしたい! なんて思う女子も少なくなさそうです。そんな場合は一般的に〈盛り塩〉を行うのがポピュラーですが、邪気とともに老廃物を追い出す〈塩浴〉も、負けじと注目を集めているよう。塩の力で毒素が排出され、冷え解消や美肌・美髪効果があるというのです。
〈塩浴〉は一時期流行った塩マッサージとは異なり、飽和状態に塩を溶かしたお湯(or水)を頭皮や体に塗って洗い流すという洗浄法。流したあとは冷水で肌を引き締め、その後はドライヤーや化粧水も使わないのがコツだとか。正直「そんなんで汚れが落ちるの?」「頭皮が臭くなりそう」なんて思いますが、塩の〈浸透圧〉によって毛穴の皮脂や毒素が浮かび上がるので、それをお湯で流せば十分というメソッドなのです。
たしかに塩は、昔から使われてきた洗浄剤。私も何度か塩浴を試しましたが、肌がキュキュッと引き締まるような気持ちよさを実感しました(最後に浴びる冷水のせいかもしれないけど)。ナチュラル&シンプルなお手入れ法で、気分もなかなか新鮮です。
……が! そんなナチュラリストの芽生えは、あっという間になかったことに。それはこの塩浴の提唱者である松本永光氏の書いた本『塩浴革命』が、あまりにもアレだったからです。「たまに塩で洗うと気持ちいいよね!」な~んて思っていた塩浴が、しょっぱいを通り越し、激辛な異界だったとは。
石けんはこんなに怖い((( ;゚Д゚))
2014年12月、〈プレタポルテby夜間飛行〉というニュースサイトにて、危険を煽り自然派商品を売り込むことを〈脅し系ナチュラル〉と銘打つ記事がアップされてました。
この記事で紹介された〈ナチュラル万能説を唱え、独自の健康法やライフスタイルを啓蒙する〉というゲスい商法は、もはや自然派アイテム商売の定石となりつつあるでしょう。「自然」という言葉からは、素朴で優しく癒し系なイメージが生まれるのに、脅し手法により一気にカルト風味へと早変わり! 塩浴も、そんなカテゴリーのど真ん中に位置するものであったのです。『塩浴革命』を読んでみると、呪いの教典かと思うような脅しトークがみっしりです。