連載

美熟女の象徴・かたせ“ゴージャス”梨乃のK.O歴を年始から再考

【この記事のキーワード】
梨乃様プロデュースの水着で、あなたも“pretty pica pica”に!(pretty pica pica公式HPより)

梨乃様プロデュースの水着で、あなたも“Pretty pica pica”に!(Pretty pica pica公式HPより)

 謹賀新年。年末年始、皆様はどう過ごされたでしょうか? 私は、初詣には一応、行きましたが、あとは、食って寝て、テレビを見ながら原稿書きにひたすら追われてました。正確に言えば、原稿を書かなきゃと思いつつ、なぜか異常に眠ってしまう日々が続き、正月だからといって旅行にも行けなかった上、予定原稿の半分も書き上がらず、気がつけば1月8日になっていたという有様。年末からなぜか今までにないくらいテレビを見てしまい、さらにこの原稿を書くためにかたせ梨乃様のご出演DVDをいろんな番組の合間を縫うように見ていたので、殆どテレビにかじりつき状態。おまけに今年は紅白に明菜ちゃんが出たため、オンタイムで紅白を見なければならず、さらに夜中から初詣に行き、また梨乃様のご出演DVDを見るという、何となくテレビ中心の中身スカスカな2015年の幕開けでした。なぜ、冒頭からこんなにDVDを見た話をたてて書いているかというと、どうやら、梨乃様のご出演作品の数々に当たってしまったようで。多分ですが。

 男前な赤線の女ボスを演じた『肉体の門』に始まり、『極道の妻たち』シリーズ、これだけでも相当濃いけど、まだ想定内。世良公則さんと梨乃様のド迫力なラブシーンは、やはりドキドキしながら見ることができました。第2作目のお嬢様風で処女役の梨乃様が、全身入れ墨の入った世良さんに犯されるように抱かれるシーンは本当によかったです。

 問題はここからで、肉体派、肉感派のはずの梨乃様が、あの名(迷)作『シベリア超特急』に出ていることが判明し、見ました。映画解説者としては一流の水野晴郎先生の『シベ超』を。ダメダメすぎて、今や多くの人に愛されているあの駄作を、私、ついに、きっちりと見てしまいました。早送りせずに。もう苦痛。梨乃様以外、有名人が一人も出ていない。水野監督のお弟子さんとか、モレシャンさんの娘さんとか、知らない人ばかりが出ているのに、話も難解というか退屈な謎解き。動かない列車のセットの中で延々と。いろいろな映画のオマージュが随所に盛り込まれており、気持ちはわかるが必要はないというシーンの連続で、逆にカルト的な人気がある理由が少しわかりました。

 しかし、半素人さんたちの中に、一人だけプロ(梨乃様)がいて、途中、どっちの演技が正しいのかわからなくなりそうになる場面も。「バカにつき合うとバカになる」という言葉が頭の中で反芻し始めた頃に、エンドロールが。国別対抗カルト映画祭があるとしたら、『死霊の盆踊り』に真っ向勝負できる作品だと思います。じゃあ、梨乃様にとってこの映画に出たことはマイナスかというと、決してそんなことはなく、大いにプラスになってる気がします。根拠はありませんが。何となく、いい記念になってる気がして。他の回だけど三田佳子さんも出てるし。ちなみに三田佳子さんが出てる『シベ超』第3弾は、なかなかの豪華キャストでカルト的な見所も満載です。

1 2

阿久真子

脚本家。2013年「八月の青」で、SOD大賞脚本家賞受賞。他に「Black coffee」「よしもと商店街」など。好きな漢は土方歳三。休日の殆どを新撰組関連に費やしている。