新山がテレビで語った、「私が仕事から帰ってきても夫は寝ているので夜中はずっと一人きり」「他の夫婦は一緒にワイン飲んだ入り、今日あった出来事とかを話している時間があって羨ましい」という気持ちは、離婚前に夫にも伝えてきたことなのではないだろうか。しかし互いに生活スタイルを改善することはできなかったし、すれ違いを埋めるための改善策を講じることもできなかった、あるいは講じたが失敗した。その結果が離婚だったのだろう。
仕事による生活ペースの違いはなかなか無視できない。夫婦にとって大きな問題であり、終わりの始まりだとも言える。これをいかにして埋めるかが、世の夫婦たちの大きな課題でもある。
今回、“すれ違い”発言をした新山に非があるかのようなバッシングが巻き起こっているが、これが逆に、男性タレントの発した言葉であればここまで批判を呼んだだろうか。
たとえば妻の方が「育児で疲れているので早く寝たい」と、夫の帰宅を待たずに就寝する日々が続いたとしよう。夫が「寂しい。起きて待っていてくれないなんて、夫婦の時間を蔑にしている」と悲しく思っていたことをテレビバラエティで吐露する。この場合だったら、むしろ“妻は、外で働いて疲れて帰ってきた夫を気遣ってない/ズボラな妻”ぐらいの意見が出てきかねないところであり、ネット上で探せば実際そうした事例およびコメントも見受けられる。
結婚したカップルの片方、あるいは双方が時間的に不規則な働き方をしていて、互いに生活の歩調を合わせられなければ、すれ違い→セックスレス→離婚、はありふれた流れである。新山の離婚理由が「ヒドイw」と断罪されるのであれば、世のバツ持ち男女の離婚理由だってほとんど同等なのではないだろうか。
■ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。