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一人歩きする“毒親”が不安を煽る? 「イライラするな」ってムリでは…

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「理想の親」像に苦しめられる

 そもそも、平川氏は「子供は自由にのびのびと育てるのが良い」という理想をお持ちのようです。だから子供にイライラするのは間違い、毒親になるから気をつけろ、と言う言葉もでてくる。

 これをすっと受け入れられる親にとっては、良いでしょう。ただ、子育てって正解がわからないから、どのご家庭でも迷いや葛藤を抱えながら子供と接することになると思います。そこで「イライラする親は毒親予備軍です!」とハッキリ打ち出されてしまうと、「イライラしちゃうわたしはダメな親なんだ……」と悩む親も出てくるんじゃないでしょうか。そこでは、毒親という言葉が本来の意味を離れて、子育て中の親に対する抑圧として機能してしまいます。イライラすらしちゃいけない、って相当なプレッシャーだと思うんですが……。

 デリケートな問題であるゆえ、カジュアルに流行ワードとして消費してしまうことには一抹の不安を覚えざるを得ません。「あなたも毒親かも」という煽りが、子育て真っ最中の保護者に新たな抑圧や不安を植え付けないことを願います。

■カエターノ・武野・コインブラ/80年代生まれ。福島県出身のライター。Twitter:@CaetanoTCoimbra

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra