数年前、東京タワー近くの某ホテルのロビーで偶然、五木寛之さんをお見かけしました。編集者らしき方と一緒で、打ち合わせだったのか、ただ珈琲を飲みにいらしていただけなのか……定かではありませんが、渋いロマンスグレー。ご自身が原作の登場人物のような洒脱な雰囲気を纏っていて、とっても素敵。そこだけが、映画のワンシーンのよう。
その後、あのロマンスグレーの髪は年4回くらいしか洗髪されてないと知って、驚愕しました。世界中、いろいろな所を旅される内に「髪を洗わない国の人は抜け毛が少ない」ということに気づき、洗髪回数を減らしたそうです。確かに80代で、あの毛髪力はすごいです。コシが強そうでふさふさ。他にも片足立ちで歯磨きとか、ゴキブリ体操とか健康に生きる方法をいろいろ実践されていて、病院しらず(のよう)。
人間は千差万別、それぞれが気持ちいいと思えることを行うことが健康法・養生法につながるのだそうです。私は今40代なので、五木さんの約半分ほどしか生きてないにも関わらず、すでにいろいろ老化してきたのか、朝起きた時に体中が軋んでいて、歯磨きは体を洗面台に預け、ただ磨くのが関の山。なのに、さらに片足で立つなんて。考えられないし、考えたこともないです。が、原稿を書きながら、年々、体力勝負を実感してきているこの頃、体力の低下が、知力の低下に直結している気がしてなりません。体を動かさないと、頭もガチガチに。今こそ、健康法・養生法を考えなくては! ドンドドン! しかし自分を鼓舞したところで何も実践しないせいか、今日も不健康なままです。
昔、同年代の江角マキコさんが「家の中でほとんど座らない」と言ってるのをテレビで見て、24時間すべての行動を見てみたいと思いました。きっと、元アスリート(企業団バレーボール選手)なので、体の構造が違うのかもしれませんが、凄いです。江角さんを見る度に、そのエピソードを思い出しては、動き続けることであのスタイルをキープしているのだと納得しています。よく動く人と、あまり食べない人は痩せてます。
阿木様の快挙
そんな健康法実践者の五木寛之氏原作の映画『四季・奈津子』が、今見ても新しく、面白く、とてもお洒落。さらに美しい裸の女が二人も出ていて、お得感もたっぷりでした。その美しい女のひとりが、おケイ役の阿木燿子氏。しっかり脱いでくださっています。出し惜しみすることもなく、さらりと。艶っぽく、知性を感じさせるおでこ美人の阿木さんが、そこにいることで、この映画の根底に洗練された空気がずっと漂い続けていました。余韻が残るほどに。嗚呼、お美しや。
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