『夫の酒癖』
結婚4年目、ともに32歳、子供もいる女性トピ主から夫についての相談。トピ主レスがなんと15もついており、トピ主の混乱ぶりがうかがえる。句読点がなかったりおかしな場所で改行されていたりもして、メンタルが心配になる。
夫は酒に飲まれまくるタイプのようで、こともあろうに暴力まで振るうという。飲んでいる最中、夫が出掛けようとするのを止めるためトピ主が財布を隠したり自転車の鍵を隠すなどして、取っ組み合いの喧嘩にもなったそうだ。蹴り飛ばされたり引きずられる等し、トピ主も抵抗して叩いたり。夫に鍵を持たせていないそうで、酔った夫が玄関のドアを引っ張り鍵を壊して家に入って来たことも。飲みに出かけると翌日昼まで帰宅せず、仕事も休んで夕方まで寝こけるという夫。小町住人でなくとも即離婚をすすめたくなる状況だ。「醒めると必ず泣いて謝ってきます」とのことだが、それは酔っ払いの常套手段である。
ところがトピ主はここまでされていながら、離婚はしたくないという。「子供にとっては良い父親」「平日は家で飲むように頑張ってくれている」と夫を擁護し、「私が理想を追い求めすぎなのでしょうか」とのレスも。このトピ自体、「どうしたらいいか」の相談というよりは、ただ話を聞いて欲しい気持ちで立ち上げたもののように見える。依存症の人間には“自分が支えて、相手を変えていこう”と無駄な野望を持つ相手がそばについてしまいがちだが、この夫婦も完全に共依存のようである。こうなるともうお手上げだ。
トピ主は27歳、28歳の夫は酒を飲み過ぎる傾向があり「帰りの電車で寝て終点まで行く、そもそも終電に間に合わずタクシーで帰ってくる、朝まで飲んで翌日動けず一日中寝ている」「無事に帰ってきたあとも、風呂も歯磨きも済ませていないのにリビングで朝まで寝てしまうことが多い」と悩んでいる様子。まぁ、この程度の酔っぱらいは珍しくない気もするが、妊娠してからさらにエスカレートしたため、悩みが大きくなっているようだ。危機感を抱いたトピ主は夫に対して門限を設けたが、これは厳しすぎただろうか……という相談だ。
そもそもだらしがない人なのだから門限を決めても意味がないのでは、というコメントも多いがほかには「問題なのは、アルコール依存症であることと、お二人ともその自覚がないことです」「社会人になって毎回酔い潰れるまで飲む人なんて見た事ないです。門限よりも先ず、そのアルコール依存をなんとかしないとダメなんじゃないですか?」と夫のアルコール依存症を指摘するコメが相次ぐ。トピ主は「アルコール依存症とのご意見、びっくりしました」と驚きつつも「こちらが上手に誘導するのが良いのでしょうね。私も少し工夫してみます」と具体的にどうするかは書かれずトピが閉められている。工夫とか誘導とかじゃなくて、病院へGO、なのでは? 産後、ふたりはどうなっているのだろうか……。
大麻や覚せい剤などの違法薬物に手を出した末の依存であれば、速攻別れるという決断もできるだろうが、特に規制のない酒だけに周りも酔っ払いの近親者を持て余している様子だ。しかも、酒を飲まなければさほど悪い人間ではないため、さらに周りは思い悩む。
小町を読む限り、酒に溺れる人間は自分がアルコール依存症とは認めたがらず(酔っている時の記憶がないからというところも大きいだろう)、自分からすすんで医療機関の門を叩くということもしない。だがトピをあれこれと読む限り、酔って奇行に走る、記憶をなくす、暴力を振るう、寝室で寝ることが出来ない、酒量・頻度が多い、など、トピ主たちを悩ませる行動にはいくつもの共通点が見られる。まとめてみんな、病院へ行けと思ってしまう。
■ブログウォッチャー京子/ 1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。
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