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ピルを勧められショック!? 布ナプの集いで遭遇した自然派女子の生理事情

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 ワークショップの参加者たちがこれを読んでいたかは分かりませんが、専門家(らしく見える人)が語るお説の影響力はバカにならないものですので、この文章で〈ピル=怖いもの〉というすり込みが行われていた可能性は、大きそう。確かに〈飲むと排卵が止まる〉と言われれば少し恐ろしい気がするのは確かですし、逆にふんわり柔らかな布を当てるだけで問題が解決するなら、安心感は高いでしょう。しかも〈ゴミが出ないから環境にもやさしい〉なんて言われたら、ちょっと社会貢献しているようないい気分。

 しかし、前者は医薬品で後者はあくまで雑貨です。同列に語ることが、おかしいわー(しかもいつのデータを見て言っているのか分からないような話を……)。もちろん布ナプキンそのものは、悪くありません。ただし、生理痛が緩和されるなどの〈健康効果〉は実証されていないことだけは頭に入れておくべきでしょう。そこにあるのは〈経験談〉だけなので。

 布ナプワークショップの参加者たちは知的な女性に見えるのに、なぜ謎理論を受け入れるのかといえば、それだけ健康や将来への不安が強いのかもしれません。参加者のひとりは「ずっと布ナプを使っていたけれど、ある時ケミカルナプキン(※彼女たちは紙ナプキンをこう呼びます)を使ったら、ものすごい腹痛になった」なんて話をしていましたが、これは〈紙ナプキンは子宮に悪い〉というすり込みから来る精神的なものとしか思えず、そうなるとこれはもう〈呪いの一種〉なんじゃないかと空恐ろしい気持ちに。〈布ナプは体にやさしい!〉というプラセボ効果で快調になるならいいけれど、逆に不調が悪化しないことを願うばかりです。ちなみに知人が取材した医師曰く、布ナプは雑菌が繁殖しやすいから膀胱炎や膣炎の人は使わないで! とのことですよ。

 余談ですがワークショップでレクチャーされた作業は、市販のオーガニックハンカチを折りたたんで約10センチの直線縫い×3本を手縫いするという、ダッシュで手を動かせば10分で終了しそうなものでした。制作(?)した布ナプ以外のお土産は、特にナシ。飲食物、紙コップ入りほうじ茶1杯。参加費の2,000円は、布ナプ教へのお布施だと思っておきましょう。結局〈とにかくお薬飲みたくないのね〉〈冷えとりには布ナプも必要なのね〉ということが分かったくらいで、〈推し〉の気持ちを理解するには、まだ修行不足なようです。

 

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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