
韓定食はおいしいけど、食ってる場合じゃないんです。Photo by Donghany from Flickr
韓国では友だちや知り合いから異性を紹介してもらうことを〈ソゲッティング〉という。韓国人の知り合いに「友だちのお姉ちゃんの同僚のお兄ちゃん(←ややこしすぎるww)でいい人がいるから」といわれ、久しぶりにソゲッティングをすることになった。そのことをさっそく仲のいい韓国女子キョンミちゃんに話したところ〈韓国の男をモノにするために〉と彼女があれこれアドバイスしてくれた。
まずは服装。キョンミちゃん曰く、
「断然ワンピース! 相手が20代なら花柄のふわっとしたワンピ。30代なら少しタイトな白ブラウスにミニスカート。花柄のミニスカートを履けばまちがいない」
と。韓国男にはとにかく花柄ってわけか。花柄なんて1枚も持ってないし、買いたいと思ったこともないけど……。「メイクはマツエクとチークはNG。アイメイクは極力薄めで、仕上げはピンクのティントで」なんだとか。この時点で少し面倒くさくなってきたが、彼女のアドバイスはまだまだ終わらない。
「この前も注意したけど、待ち合わせ場所で相手と会っても、すぐに笑ってあいさつしないようにね」ーー実は以前ソゲッティングをした際、待ち合わせた駅の出口で私が笑顔で相手に近づいて行ったことを彼女に報告したら、
「なんでそんな安いことするの! よく知りもしないくせに笑顔を見せたりしたら、相手に簡単な女だって思われるよ! 相手に気に入られたいの? だったら何で後で断ったりするの? その気もないくせにヘラヘラするのは日本人のダメなところ!」
と散々ないわれようだったのだ。いやいや何もそこまで……。相手と目があったので、「あっ」となってちょっとほほ笑んだだけなのだが、彼女は「ほほ笑む必要なんてなし。なんだったら少しぐらい不愛想でも失礼じゃない」という。韓国の女子はみんなそうらしい。
キョンミちゃんは「会って気に入らなければ、お茶も飲まずにすぐに帰ってもいい」とまで。「私も、私の友だちもみんなそうしてるよ」というが、いくらなんでもそれは失礼じゃない? と反論したかったが……止めておいた。もうここは黙ってキョンミちゃんの話を聞こう。なんてたって彼女は最近ソゲッティングで「カンナム(江南=ソウルのセレブエリア)育ちで留学派、サムスン勤務」という韓国女子が憧れる「チェゴエナムジャ(最高の男)」をゲットしたのだから。
「ソゲッティング相手とカフェやレストランに行ったら、こっちから無理やりしゃべる必要もないし、笑う必要もない。少し斜めに座ってうつむぎがちに、たまに下から見上げる感じで話せばいいの」とキョンミちゃん。
段階を踏んでオトす
でもさー、条件が揃った「チェゴエナムジャ」が相手だとしたら、そんな素っ気ない態度でいたらその気がないって思われて、ほかに行かれたりしない?
「だからダメなの! 相手がいい男であればあるほど、簡単に手に入らない女を演出すべし!」
とキョンミちゃん。日本でもそんなことを話す女子はいるが、韓国女子はとにかく徹底的に〈お高い女〉を演じるようだ。でも「ほんとうに重要なのはここから!」なのだそう。2回目ではまったく違う女を演じるのが勝ち組キョンミ流。
「1回目がカンナムの洒落たカフェだったら、2回目はしっとり系の韓定食レストランを選ぶの。そこでは前回とは打って変わって笑顔多めで親しみやすく、そして家庭的な女を演出すること。私はさりげなく魚をほぐしてあげてご飯の上に乗せてあげたの、これで彼の心を完全につかむことに成功したんだからぁ」
あ、ここで補足しておこう~。韓国ではドラマにもよく登場するが、オモニ(お母さん)が愛する息子のために魚を手でほぐしてあげることがめずしくない。母性をアピールってわけか! そしてとどめの3回目の約束。彼女はここで洒落っ気のない、価格帯安めのチキン屋を指定。
「私、こういう安くて汚い店でも大丈夫な女なのよって一面も見せるの。ここで子どものころの話をしたり、家族の話をしたり、飾らない素の自分の演出すれば完璧よ」
キョンミ先生から必勝法を伝授してもらいながら、まさに「チェゴエナムジャ」である友だちのことを思い出した。彼はアシアナ航空の美人CAとソゲッティングで出会い結婚したが、そういえばその彼もたしか「2回目のデートで彼女が魚をほぐしてくれて惚れた」「安い居酒屋でも喜ぶ彼女が印象的だった」といってたな。やばっ! ほんとに効果あるじゃん!!
花柄スカート履いて不愛想でキメて、魚ほぐして母性バンバン出して、最後に安居酒屋で無邪気な自分を見せる。韓国女子みたく上手にできるかなぁ……。
■韓 美姫/先日スーパーで買い物中のペ・ヨンジュンに遭遇。顔がまん丸、体も少しぽっちゃりしてたから二度見しちゃいましたけどww