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「性的虐待、DV被害者だけど、セックスをあきらめたくない!」サバイバーはる香の挑戦

【この記事のキーワード】

性的虐待、DVの被害者だけど、セックスをあきらめたくなかった

 私は、高校生のときに教師から性的虐待を受け、その後、交際した男性からDVを振るわれました。性的虐待は、16歳から高校卒業まで、DVは18歳から24歳まで続き、やっとの思いでDV男から逃げ出した頃には、肉体的にも、精神的にも、ボロボロでした。

「女だからこんな目にあうんだ……」
「女って、なんて生きづらいんだろう」

 と、「女性」であること自体、イヤになった時期もあります。

 作品を作り、自分のココロとカラダに向き合う中で、一つの思いがわき上がってきました。それは、

「セックスをあきらめたくない!」

 ということ。

 心無い男性によって、「はる香のセックス」は壊されてしまった。でも、女としての人生が、これで終わったとは思いたくない。誰かに愛され、大切にされて、幸せになりたい。そして、好きな人と本当に気持ちいいセックスがしたい。そう思ったんです。

 私にとってセックスとは何か? 自分を傷つけたり、損なったりしないセックスは可能なのか? 女性にとって、本当に気持ちいいセックスとは? はる香の作品は、私が「自分のセックス」を取り戻すまでの軌跡でもあります。

 欧米では、性暴力を受けた苦難を乗り越え、生き抜こうとしている被害者を「サバイバー」と呼ぶそうです。1970年代、アメリカで、自らの被害を語る人たちの間で、その力強さと、勇気をたたえて使われるようになった呼称です。

 コラムタイトル、『サバイバー』には、「性暴力にあった女性は、かわいそうな犠牲者ではなく、困難を乗り切ったサバイバーなのだ」という意味がこめられています。

 サバイバーである私が、性暴力被害からの回復の過程や、その中で考えたことを、これからこのコラムで書いていこうと思います。私と同じような体験をされた女性や、「女であること」に生きづらさを抱えている女性に、少しでも共感していただけたら、うれしく思います。

■長南はる香/性暴力サバイバー、現代美術アーティスト、写真家。高校生の頃から、約10年にわたって性的虐待、DVを受ける。その後、セックス依存症に。トラウマを乗り越えた経験を元に、「女性のためのエロティックアート」を制作している。HP『現代美術アーティスト「はる香」の描くアダルト映像の世界

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