
Photo by Global Panorama from Flickr
昨秋から某アダルトグッズショップのHPにブログが新設され、私はそこで悩み相談の記事を連載するようになりました。ショップのサイトだし、グッズに関する悩みが中心だろうと思っていたのですが、フタをあけてみればそれはごく一部。フィジカルな悩みあり、コミュニケーションの悩みあり、嗜好についての悩みあり……セックスについて寄せられた数々の悩みを見て、困ったな~と思ったのが正直なところです。
というのも私はバイブについては人よりも知っているという自負がありますが、セックス全般となるとそれを専門に学んだこともなく、ずば抜けて広い見識があるわけでもないので、引き受けておいてナンですが、これに答えるのはおこがましいのではないかと感じたのです。
そこでふと考えてみました。自分はセックスについての悩みを誰に相談してきたのだろう? と。
いまはバイブコレクターという活動をとおして、性にまつわるさまざまな仕事をしている友人、知人がいます。みなさん性に対してリベラルで、知識も豊富。頼れる人たちに気軽に相談できる環境にあるのですが、それでも話しやすいことと話にくいことがあります。たとえば私の彼氏のことを知っている相手だと、私の性生活を明かすことは同時に彼のそれを明かすことにもなるので、つい控えてしまいます。ポジティブな相談であればしやすいんですけどね。私自身も「先日買ったグッズを彼とふたりで試したらイマイチだったんだけど、もっといいのない?」といった相談はよくもちかけられますが、これは得意分野なのですらすら答えられます。
バイブコレクターを始める前にまでさかのぼると、身近な友だちに相談した、という経験はほとんどありません。性に対してオープンに語る習慣がなかったので、それは恥部をさらけ出すことに等しく、見せられる側も困るのでは……と感じていたのです。
ネットと本で悩みは解消できるか?
ではどうしていたかというと、ネットでいろいろ調べるか、本を読むかでした。相談サイトなどに投稿したことはありませんが、人の悩みを読んでいると「ああ、みんな何かしら悩んでいるのね」と気持ちが落ち着くという効果がありました。何も解決していないんですけどね(笑)。投稿型のところでは、一度にいろんな人の意見を読めるのが利点といえば利点ですが、なかには厳しすぎる意見や心ない書き込みもあるので、やはりここは私が相談すべき場ではないと引いてしまうのです。
そこでセックスに関する本を読みあさっていたこともありました。専門家の方がこれまでに見た数多くのケースを基にセックスのあれこれを解説してくれるのは、非常にありがたいことです。たとえば「濡れない」という悩みひとつとっても、それをお医者さまが「人によって濡れ方は違うし、濡れない日もあって当然」といってくれると、たいへんな説得力があります。
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