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『りぼん』=恋愛最高、『ちゃお』=消費最高! 女児向け漫画各誌の特徴

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(C)柴田英里

(C)柴田英里

 ふと思い立って、3大小学生向け少女雑誌である『りぼん』(集英社)、『なかよし』(講談社)、『ちゃお』(小学館)を購入してみました。

 最近の少女漫画誌は女性ファッション誌の例にならってか、付録が豪華であることは知っていたのですが、思った以上に豪華かつ女子小学生のニーズをきちんと調べているのだなあということがわかり、驚きました。参考までに先月発売の3月号、現在発売中の4月号、来月発売の5月号の付録がどんなものであるかあげてみたいと思います。

『りぼん』
●3月号「パティスリーシリコン型」「デコクッキースタンプ」「リバーシブルクッキー型」
●4月号「ショルダーバッグ」「タオルポーチ」
●5月号「パステル長財布」

 ミニバッグや財布、タオルハンカチを折り畳んだような形状と材質で出来ており、学校のトイレなどに持ち込む時に、男子生徒などにからかわれることへの配慮から出来たと思われる「タオルポーチ」など、小学生中高学年の女子生徒向けファッション小物や雑貨が中心です。バレンタインがある2月に発売した3月号のお菓子づくりセットは、可愛いスイーツをつくりたいが初期投資がけっこうかかってしまう……という小学生女子のニーズに応えたセットと言えます。

『なかよし』
●3月号「コスメチックレタータブレット」「復刻レターセット」
●4月号「マジックスマホケース」「ラッキーチェリーペン」「マカロン消せるゴム」
●5月号「黒板ノートパソコン」

 今年60周年を迎える『なかよし』は、高め年齢層のコレクター魂を刺激したいのか、『セーラームーン』をはじめとした人気少女向け変身ヒロインを数多く排出した90年代なかよしの、『カードキャプターさくら』と『怪盗セイントテール』の復刻便せんなど、アラサー懐かしアイテムを3月号付録に。「マジックスマホケース」「黒板ノートパソコン」というのは、要するに、限りなく玩具に近い文具です。学校に持って行ける範囲の玩具と文具が中心です。

『ちゃお』
●3月号「ハッピープロフ帳」「とろーりジバニャンカフェメモセット」「流れ星ヘアアクセ」「友ウケ100%動物シール」「橋本環奈ちゃんコラボアイカツカード」
●4月号「究極まんが家セット」「橋本環奈ちゃんコラボアイカツカード」「プリパラプリチケ15枚セット」
●5月号「香り付きスイートツインペン6本12色」「オリジナルアイカツカード」「オリジナルプリチケ・友チケ」

 3誌の中でダントツに付録の点数が多いことが特徴です。トレース台やオリジナルスクリーントーンといった漫画用具がふんだんに入った「究極まんが家セット」の豪華さは大きな話題となりました。このセットはもちろん、毎号『アイカツ!』や『プリパラ』といった女児向けアーケードゲームのオリジナルICカード(プリパラはチケット)が付いてくるので、これ目当てに購入する大きなお友達(私もですが)は多いと思います。

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柴田英里

現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。現在、様々なマイノリティーの為のアートイベント「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」の映像・記録誌をつくるためにCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中。

@erishibata

「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」