誰でもみんなネゴシエーター
結婚や同棲でパートナーと生活をともにすれば、当然、する前よりも相手の「見える部分」が増えます。スッピンしかり、これまで気づかなかった癖や生活習慣しかり。それでも、やはり元々は他人なのですから、互いに気を遣わなければ同じ家での暮らしはできません。
もし、彼氏・夫が、パートナー女性に「家でも俺の前では身なりに気を遣うこと」を求めているとしたら、彼女・妻がそれに応えるのも、共同生活をスムーズに送る上で必要なことでしょう。一方で、彼女・妻が「家ではスッピンやジャージでリラックスできる時間を過ごしたい」という欲求があるなら、彼氏・夫はそれを認めるべきです。単純な折衷案になりますが、たとえば週の半分は身なりに気を遣い、もう半分はスッピンで過ごせば、お互い歩み寄った形になります。そうしたバランスがとれずに、男女どちらかの要求のみに従わなければならない状況に陥ってしまうと、2015年急浮上のキーワード・モラルハラスメントの問題が浮上する可能性もあります。
このことは、スッピン云々ではなく夫婦やカップルに起こる様々ないざこざに当てはめられると思います。誰しも、相手に「こうあってほしい」と期待するものですが、その時に「相手にそうなってもらうために自分は何ができるか」「自分の要望を叶えてもらったのだから、自分はこんなお返しをしよう」と考え、ある意味での交渉材料を提示することで、元は他人同士である夫婦やカップルの生活がうまくいくのではないでしょうか。
(リオネル・メシ子)
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