芋大学生タケシ(20)
クラブ処女の私は緊張してしまってお酒を持ったままレディースコーナー(女性専用スペース)から動けない。
友人が「そんなんじゃ楽しめないよ!」と言い、私を肉食動物がウロウロしているサバンナに放ちました。
(ノリ悪いと思われてもいい、絡まれたくない、あくまでポーカーフェイス、サセコと思われないように口を慎まないと……)と心の中でつぶやいていると、一昔前の韓流アイドルみたいな髪型をした芋フェイスの男の子が隣に座ってきました。
「おねーさん、楽しんでる?」
!!??
(なんだこいつは、一言目に楽しんでる?って、どうみても楽しんでるように見えないだろ! アホか? アホなのか? そもそも無表情ガチガチで酒を抱えた女に話かけてくんなよ!)
と思いながら、「ア、ハ、ハイ」と答えると彼はニコニコしながらくっついてきた。酔っぱらっているようだ。
「おねーさん、何歳? おれハタチ!」と無邪気に会話を続ける彼。女子大在学中、バイト先もキャバクラな私はハタチの男の子と会話するのも久しぶりだったので、何をしゃべっていいのかわからず、大学の話をすることに。大学生同士の会話なんて、「どこ大~? なんかサークル入ってる~? 就活ヤバクな~い?」くらいのやり取りで十分なのですよ。まあ話を聞いてみると、地方から出てきて今は体育系の勉強をしているとのこと。それを横で聞いていた友人が鬼畜にも 「じゃ、そこで逆立ちしてよ」と言い放ったのです……! 泥酔した男の子を逆立ちさせる友、中々の悪女だなと。
で、男の子もね、試されると「よっしゃカカッテコイ!」とDQN気質を出しちゃうわけですよ。もうレッドブルウォッカかなんか飲んじゃってハイになってるのにね。いきなり逆立ちしたんですよ。「やめてくれよ」と、「お願いだからこれ以上目立たないでくれよ」と、言いたいのこらえて白目剥きながら彼の逆立ちをつまみに酒を飲みました。しかし、その後も彼はご自慢の筋肉トークなどを挟みつつ、しつこく話しかけてくるんです。
そしたら彼、こう言ったんです。「一緒に踊ろうよ」って。
私ね、21年間生きてきて初めてですよ。
「シャルウィーダンス?」って言われちゃったんですよ。
とりあえずクラブ処女の私としては、
(踊るって何を? サンバ? タンゴ? ズンバ? それともモダンバレエか何かですか?)って混乱状態でもじもじしていたんですよ。
そしたら彼が返事も聞かずにフロアに連れていきやがって……
人がたくさんいてもみくちゃにされながら、彼はクネクネと身体を左右に揺らして音楽にノってるんですよ、そりゃもう満足げにビート刻んでるんですよ。
「もう耐えられない……」と思って、彼の目を盗んでレディーススペースに着席。
二度と話しかけてくるなよ、芋大学生! と心の中で叫びながら酒を飲む。なぜか酔えない。
クラブ自体は音楽が楽しめて、とてもいい所だけど、私には合わないということがわかりました。逆に私みたいなクラブ処女が場を荒らしてしまってスイマセンって感じでね、もう行きませんから、許してください、ホント(笑)。
いい勉強になりました。ありがと、芋大学生タケシ。
その後出会ったサイテーIT会社員、中山の話はコチラ。
■おはなちゃん/ オープンスケベ。4歳で初めて股をこすってから、性に目覚めた22歳。普段は女子大生、事務アルバイトをこなしながら日々性を楽しんでいる。おじさんキラーであり、現在24歳年上のおじさまとお付き合い中。
1 2