“消したい過去”って誰にでもありますよね。私ももちろんあります。タイトルでほぼ出ちゃってますけどね(笑)。
当時14歳だった私は、アニメ大好き! 声優大好き! なオタク女子でした。毎週末アニメイトに通い、好きな声優のドラマCDは必ず買い、毎月3冊ほど声優の専門誌を購入しては、舐めるように読んでいました。
最初はBL(ボーイズラブ)なんて全く興味がなくて、ただ単に声優を追っかけていただけだったのですが、ある漫画をきっかけに腐女子と化してしまったのです。
その漫画とは、『テニスの王子様』(集英社)。これは数々の腐女子を輩出してきた伝説の漫画と言われているので、きっと私以外にもこの漫画がBL好きへの転機となった人は、数え切れないほどいるのではないでしょうか。
ただの中学生がひたすらテニスをしているだけなのに、なんででしょうね。今思い出しても不思議で仕方ないんですけど、当時はだいぶイタイ子だったんで、「男と男の愛こそロマン!」とか純粋にそう本気で思っていたんです。ナンマイダ~。
で、見事にボーイズラブにどハマりした私は、テニスの王子様に関する同人誌を買い漁っては、ハアハア萌えていたわけです。
同人誌ってのは、大体20~30ページくらいの薄い本で、中古だと一冊100~300円くらいで買えちゃうんです。なので、中学生の私でも充分収集できました。その結果、気づけばボーイズラブの同人誌は数十冊を超えていました。中には、18禁のモノも……。
教科書の間に挟んだり、ファッション雑誌に紛れ込ませたりと、子供ながらに(親に見つかったらヤバイ物)という認識はあったようで、バレないようにバレないように、集めていました。
次第に『テニスの王子様』では物足りなくなった私は、オリジナルモノにも手を出し始めました。二次創作ではないものです。漫画だけでなく、官能小説やドラマCDも買い漁りました。もう、ボーイズラブへの情熱を止めることができなくなっていました。
BLエロ同人誌を読んではオナニーをし、官能小説を読んではオナニーをし、エロいドラマCDを聞いてはオナニーをする毎日。もちろん、男×女のエロ動画もフル活用。「男子か!」ってくらい、あらゆるエロに夢中でした……。
腐女子の友達も周りに何人かいたので、感覚が麻痺し始めていたんだと思います。
そうなってくると、だんだんと隠すことに気を抜くようになりました。
「大胆に置いたほうがバレないんじゃないか?」などとアホなことを考えた私は、あえて本棚の見える位置にボーイズラブの官能小説や漫画をしまうようになりました。というのも、母は私の部屋に滅多に入らないので、安心しきっていたんです。
そんなある日のこと。
学校から帰ってきて、いつものようにコレクションからオナネタを選ぼうとしたのですが、なんだか妙に本棚が整理されている。
(おかしいな? 佐倉ハイジの漫画は昨日読んでから棚に戻してないハズだ……なぜここに?)
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