女性のオナニーライフはここ数年でかなり開けたものになってきたと思います。オナニーグッズも、体内に入れることを考えた時に恐怖感を覚えるような極太バイブだけではなく、柔らかい素材でできた優しい感触のバイブが発売されたり、見た目もかわいらしいものが増えていますよね。また、女性向けのAVレーベルや女性専用のAV動画サイト等も誕生し、女性がオナニーを楽しめる環境がどんどん整ってきています。
オナニーが習慣化している者として、このこと自体はとても喜ばしいことなのですが、オナニー界隈でいつまでも変わらないものがあります。それは、男性による「オナニーをする女はエロい」という偏見です。
女のオナニーだけがエロいという謎
女性の皆さんは、男性がオナニーをすると聞いて「うわっ! この人超エロい」とは思いませんよね。「ああ、そう」程度の感想しか持たない人がほとんどではないでしょうか。それくらい、男性がオナニーをすることは一般常識と化しています。
しかし、一方の女性がオナニーをすると認めた際には、男性から「エロいんだね」と言われたり、最悪の場合「すぐヤレそう」と認識されることもあります。こんなにも違いがあるのはなぜでしょう?
男女がオナニーをすることには性欲の解消という大前提があり、その性欲は男女ともに備わっているものですよね。食欲・睡眠欲・性欲は人間の三大欲求といわれています。なので、女性がオナニーをすることはエロくもなんともないし、言ってみれば食事をしたり眠ったりすることと同じです。
そんなふうに、ちょっと考えれば誰でもわかるはずの人体の仕組みをすっ飛ばし、オナニーをする女性をエロいと思う男性は「オナニーする=エロ動画などを見たり、エロい妄想をしている=エロい」とか、「オナニーすると認める=性欲があることを認める=もしかして『私、溜まってます』アピール!?」などの図式を勝手に構築し、決めつけてしまうのかもしれません。そうした図式が思い浮かぶということは、女性が性欲を持つことが特別であるという潜在意識が男性にあるからではないでしょうか。
このことは、セックスの場面でも同様です。例えば、男性から女性をセックスに誘ったという話を批判したり、疑問を持ったりする人はほとんどいないのに、性別が逆転した途端に「せ、積極的だね……(引き気味)」「超肉食系(笑)」などと揶揄する声がちらほら聞こえてくるのです。性欲があってセックスしたいと感じるのは、男女ともにごく自然な感覚なのに……。いかに性欲が男性主体なものとして捉えられているかがわかるでしょう。
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