本書ではたびたび「処女、または経験が少ない女子」と「経験豊かな女子」をわけて説明しています。実際、両者はセックス観も、ベッドでのふるまいも自ずと違ってきます。でも、そう簡単に二分できるものでもないということは、女性なら誰でも知っています。経験が少ない子にはいろいろと気を遣い、そうでなければちょっとぐらいの無理は通りそうという認識は、違和感を感じずにはいられません。女性はアニメのキャラとは違い、“設定”通りにはいかないのです。
さらに、「経験が少ない女子」のほうが与しやすいと見なしていることが行間から伝わってきます。自分の経験値のなさを見破られない、バカにされないということなのでしょう。この精神は、本書全体に貫かれています。オタクだからといって下に見られたくない、童貞がバレて嫌われたくない……その姿勢はいじましくもありますが、知ったかぶりでリードするよりも、すなおに「俺、初めてなんだ」と打ち明け、下手でも不器用でも誠実に接してくれる男性のほうが女性としてはずっと愛せるものです。オタク童貞諸君、書を捨てよ、生身の女の子と向き合おう! そのことに気づいた読者から、脱・童貞を迎えられるに違いありません。
お役立ち度【女子】 ★☆☆☆☆
お役立ち度【男子】 ★★★☆☆
セックスへの理解が深まる ★★★☆☆
テクニックの実践しやすさ ★★★☆☆
(取材・文=三浦ゆえ @MiuraYue)
1 2