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【messy調査】「妊娠理解」や「思いやり」だけでマタハラは解決しない。

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Photo by Lars Plougmann from Flickr

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 こんにちは、messy編集部です。さて、4月2日より実施していた【messy調査】「マタハラ」被害・目撃したことありますか?の調査結果を発表したいと思います。今回はあまり回答が集まらなかったので(残念……)、個々の回答を参考にマタハラについて考えて見たいと思います。

 今回の回答者は、妊娠中・妊娠経験ありの方と、経験のない方がほぼ半数。経験者の中で実際にマタハラ被害にあった方は3割弱ということですから、「働く女性の26.3%がマタハラの被害経験がある」という過去の調査結果に近いものになっています。

 一方、マタハラ目撃者は回答者の7割以上。マタハラ加害者は、男性上司・女性上司が同数で、最も多い回答でした。中には「同じ部署全員」や「自分がしてしまっているかも」という回答も。

 おそらく色々な意見が噴出するだろうなあと思いながら設置した「マタハラはなぜ起きると思いますか?」という質問への回答は以下の通り(編集部による要約有り)。

・僻みにしか見えない。出産経験なしの女性上司が、流産の危機があるとわかっているのに、妊娠している部下をこき使っていた。(女性、既婚、41~45歳、会社員、妊娠経験なし)

 細かいことはわかりませんが、もしその女性の上司が「妊娠したかったけれど仕事で出来なかった」など何らかの事情を抱えていた場合、部下が働きながら妊娠をしたときに、ハラスメントになる行動をとるケースもあるのかもしれません。

・育児は女性がするものという価値観(女性、独身、26~30歳、会社員、妊娠経験なし)

 男性上司からマタハラを受けている人を目撃したことがあるそう。この方は、「出産はある程度仕方ないが、育児は男性も同等に担うべき。それによって育休によって職場を離れるリスクが男女同等になり、女性だけが不当に扱われることは少なくなる」というご意見も寄せてくださいました。おそらく男性上司が「育児は女性がするもの(男性が働くもの)」と考えているから、妊娠して働いている女性に対してハラスメントをしてしまうのでしょうね……。

・お互いのコミュニケーション不足。上司やチームメンバーに、妊婦自身が体調を伝えておく必要がある。(女性、既婚、41~45歳、専業・兼業主婦、妊娠経験なし)

 場合によっては妊娠以前に職場でのコミュニケーションがうまくはかれていない可能性もありますね。その場合、「迷惑をかけてしまうかも……」と思いがちな妊婦さんは、無理をしすぎてしまうかもしれない。「伝えること」と同様に「伝えやすい環境」も必要だと思いました。

・自分がイライラしてる時に目につくから(女性、既婚、46~50歳、専業・兼業主婦あるいは主夫、妊娠経験なし)
・ハラッサー側に余裕がないから妊婦を思いやれない。(女性、既婚、31~35歳、専業・兼業主婦、妊娠経験あり)

 最初の「僻みにしか見えない」の回答も同様かもしれませんが、ハラスメントする側の心の余裕も重要なのかもしれません。たとえ妊娠や育児などに理解があっても、心に余裕がないと、つい何かに当たりがち。そのターゲットが妊婦さんになってしまっているのかもしれませんね。ただ妊娠への理解を促すだけでは、問題は解決しない、ということを示す回答のように思います。

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