カルチャー

道端ジェシカ&門脇麦の無駄遣い、トレンディヨガ映画の空振り感…!

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 さて、映画全編を通じての〈ヨガ効果〉は、泣きわめく海空が落ち着くこれ1回です。

 海空があかぬけてバイトも見つけ東京ライフを満喫できるようになっていったのはKUMIによるファッション&美容指導のおかげだろうし、ヨガセレブのKUMIは挫折したら過食に走り、ヨガのリラクゼーション効果とやらは一体どこへ? さらに失意のどん底だったKUMIを救ったのは、病院での偶然の出会い(スピ的には必然?)。

 女子たちのお悩み解決に、ヨガの出番が少な過ぎ~。KUMIはヨガインストラクター兼モデルとして活動し、ウエアのプロデュース話も盛り上がっていたけれど、結局〈表面的なファッション・ヨガ〉でしたとさというオチとはなあ。お見舞いにやってきて、仮にもプロのKUMIに向かって「ちゃんと、呼吸してる?」とのたまう海空の胆力もスゴいが、ここまで役立たなかったにも関わらず「自分のヨガを見つけたい! ヨガでみんなを幸せにしたい!」と決意するKUMIの思考回路も、凝りねえなあといった印象です。

◯◯タイムで締めくくられる!

 ヨガセレブ(なハズの)KUMIとの生活描写も、それらしいのは朝ヨガするところだけで、あとは単に〈インテリアがおしゃれ〉なだけ。ヨギーはフレッシュな手作りスムージーを愛飲するのかと思っていたけど、さにあらず。野菜ジュースはペットボトルから飲み、仕事帰りは〈行きつけのバー〉で飲酒って! さらに海空の手料理に感激しちゃうKUMIよ、アサイーボールでいいから自炊しましょうよ……。毎晩の習慣であるフェイスパックは、使い捨てのシートタイプです(ゴマ油でマッサージとかしないのー?)。ヨギーが全員、ヘルシーでオーガニックでロハスな生活を送れとは言いませんが、いやはやこれはちょっと。

 ちなみに配給は、F1層(20~34歳までの女性)へ向けた癒し作品が得意なスールキートスなのですが、お得意の〈飯島奈美が手掛けるほっこり飯〉が出てこなかったのも意外です。スタイリッシュなイメージの強いジェシカとは、相性が悪かったのでしょうかね。海空の実家が青森のリンゴ農家という設定だけは、スピ界で有名な〈奇跡のリンゴおじさん〉を連想させられたのと、方言がかわいらしことで楽しませていただきました。

 〈ヨガ映画ならでは〉という見どころは、リアル人気講師である綿本彰氏が登場するシーンと、ラストで大群衆のヨギーたちが一斉に行う太陽礼拝的なダンス。そして5分間の〈瞑想タイム〉! 映画館にかけつけたヨギーたちは、ここで皆、目をつぶって呼吸するんですね、なるほど。瞑想タイムは青空の映像と、こんなセリフが流れていきます。

「自分の内面を見つめること それが瞑想の始まり 遠くの小さな音を聞くような柔らかな気分で 自分の中にある穏やかな気持ちに意識を合わせます……すべてのことから得た学びに感謝します……自分を支えてくれる人に感謝します……私たちがこの世界に生まれてくるとき、何か目的を持って生まれました……………ふか~く息を吸って、ゆっくりと息を吐いて……今感じている穏やかな気持ち 平和な感覚 調和のとれた感じ これが私たちの本質……シャーンティ……」(一部略)

 ラストでようやく、スピ要素が埋め合わせされた感じです。こんなトレンディドラマなヨガ映画は嫌だ! もっとロハスな瞑想ワールドを堪能したい! という方は、ジュリア・ロバーツの洋画『食べて、祈って、恋をして』あたりで、お口直しをいかがでしょう。

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 逆にスピリチュアル色の強いヨガにアレルギーがあるという方は、この映画を安心して観られそうです。

 

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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