幸せな結婚だった
吉田「離婚はね、私が120%悪いんですよ(笑)」
――まったく言い逃れできないほどに。
吉田「私の出張中に、夫が家に女友達を招き入れたという「浮気疑惑事件」があって、私のそれまでの不満が爆発してしまったというか、とにかく外でヤリまくるようになっちゃったんですね。そのセフレたちとのおびただしい数のメールのやりとりを、夫に見られたという」
――完全にアウトですね。本では「遅かれ早かれ、爆発はいずれ起きていたと思う」「他のオスとヤリたい! と思っていた」とありますし、まずご自身の性欲が「非常に強い」ということを念入りに書いてありますよね。携帯電話にパスコードはかけてなかったんですか?
吉田「普段はかけてたんだけど、そのときはたまたまメールの文章を打ったまま寝落ちしちゃってたんですね。そしたら元夫が画面を見て『なんだこれは』って。まあでも、しょうがないですよね。元夫を嫌いだったわけじゃないんだけど」
――もう一切連絡取ってないんですか?
吉田「はい。っていうのは、離婚して1年後くらいに彼が再婚したんですよ」
――おお。
吉田「再婚して子供ができた、って」
――その報告を受けたんですか?
吉田「うん。離婚した直後はね、結構マメに会ってて。私が元夫に慰謝料(50万円)払ったりとかの用事があったから。おめでとう、大変だねーなんつって。その後、『夜泣きが大変だよー』みたいなメールが届いたのが最後で、それ以降は全然連絡を取ってないので」
――お互いにとって離婚したことが結果的に良かったんじゃないかって。
吉田「良かったと思いますよ、結婚自体は楽しかったからね。でも私のやったことって、基本的には反感を買う内容ですよね(笑)。公務員で穏やかで優しくてそこそこ気の合う旦那がいるのに、出会い系とかでチンコを漁ってヤリまくってたわけだから。まあ別に誰かに共感してもらいたくて書いたワケじゃないので」
――いや、でもその行為自体の是非はさておき、共感ポイントはありました。「結婚していることが女として自分を評価しない男性たちへのアピールであり、美人でも結婚してない女性への優越感だった」というくだりです。
吉田「そんなこと書いてたのか、私」
――私も最近まで結婚していたのですが、もう離婚成立したんです。私は別れ際に「離婚したくない」とゴネて、あれは何でだったのかってあらためて自問自答してみると、「アピールであり優越感」という側面は確かにあったと思えるんです。同書には、「欲望の着地点を見極めなさいと友人から言われた」という記述もあり、名言だなあと思ったのですが、ヤリマン化からの離婚を経て10年経つ今、潮さんは欲望の着地点を見極められましたか?
吉田「見極めたと思う。これだ、っていう竿に出会って、一本化したんだよね」
――というと!?
吉田「離婚した後、わりとすぐに見つけたんですよ、男をね。もう結婚願望はなかったんです、結婚に意味がないと思ったんで。だから普通にお付き合いしていたんだけど、30代後半で子供が欲しくなって、そしたら不妊治療する必要があることがわかって、治療やるためには入籍が必要だとなって、再婚しました」
――おおおお。離婚したのが2004年で、2005年にはもう今の旦那さんと出会ったんですね。
吉田「そうなりますね。とにかく私は、チンコがデカいのが一番重要なんだってことがわかったから、行きつけのバーの店長に『そういう男を紹介してくれっ!』って言って、3人男を紹介された。1人めは私が何か違うな~と思って、2人めは向こうも『コイツじゃねえな』と思ったようで、3人めとして今の旦那が現れたとき、『これは!絶対に体の相性が合う、間違いない!』とビビビときて、押しましたね」
――もう一目惚れみたいな。離婚してからその人と出会うまでの間は、どれくらい恋愛してたんですか?
吉田「恋愛って呼べるものをやっていただろうかっていうくらいの内容ですよ。言ってしまえば超ヤリマンだったわけで、もう夜な夜な行きつけのハプニングバーに行くとか、そんな生活をしていて。恋愛はしてないんですよ、あんまり。ちゃんと関係を築いた人って、多分3人くらいだと思う。私の前の旦那は、安定した職業で・穏やかで・亭主関白でも男尊女卑でもない、条件的に……て条件的とかあんまり考えてないんだけど、すごくまあ一般的に見れば条件の良い男性だったと思うんですね。でも結局、破綻したわけじゃないですか、私の欲望が暴走したから」
――確かに条件的に良い人だったんだろうなって、周りからは思われるでしょうね。
吉田「そう、とっても良い人だったし、人間もできてる人だったんで。それでもダメだったんだっていうね。だから、新しく恋愛するといっても、そこにもう条件とかは期待していなくて。唯一大事なのが『体の相性が絶対に合う!』ってところだったから、今の旦那はパーフェクトだと思ったね。もちろん、チンコだけOKで、性格が激悪だとか横暴だとかギャンブルで借金しまくるとかダメなところが盛りだくさんだったら、恋愛して結婚してとはならなかっただろうけど。入籍したのはね、体外受精のためなんです」
――入籍してないとその治療が受けられない、と。
吉田「そう。子供の親が誰かわかんなくなるからって意味があって、入籍をバタバタとしたんです。だから結婚式とかもやってないし。旦那は家業を継ぐために東京から地方の実家へ戻って、私は東京で仕事しているので、別居婚で4年経ちました。夫婦の会話は主にSkypeね」
――そうなんですね。計算してみたら、今の旦那さんと交際始めてから、今年で10年だと思うんです。前の旦那さんとの結婚期間より長くなってますね。
吉田「10年だ! あいだに1年、別れてた時期があるんですけど、ほぼ10年ですね。33歳の時に出会って」