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男×男・女×女の同性ケッコン事情 2013年、ついに世界中で大きな動き【前編】

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Photo by Partij van de Arbeid from Flickr

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「妹に恋人ができたの!」

 久々に会った友人がカフェで席に着くなり、開口一番にそう言いました。

「で、彼氏ってどんな人?」

 そう訊ねると友人は、

「……いや、彼氏じゃなくて彼女なの。だからあえて、恋人って言ったの」

 と答えました。

 そう、その妹サンというのは同性愛者。でも今ドキ、LGBT(レスビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの略)なんて、世界的にみると珍しくありません。ここ日本ではまだまだ「それってオネエでしょ?」程度の認識ですが、海外では同性カップルの婚姻を認める動きが出始めています。

■アメリカ

 今年6月26日、連邦最高裁が連邦法の「結婚保護法」を、違憲だとする判決を下しました。これは「結婚は男女間のもの」と規定する法律で、アメリカ内では同性婚が12の州とワシントンで認められているにも関わらず、国家レベルでは認められていませんでした。つまり「その町ではふたりは婚姻関係にあるけれど、国はそれを認めていないから、配偶者税控除や社会保障など、国家が提供するサービスを受けることはできないよ」という状態。しかし「州法で合法化されているのだから、連邦法が認めないのはおかしい!」と、実質的に「アメリカは同性婚OK!」との判決を下したのです。

■フランス

 今年5月、南部のモンペリエというところで、30歳と40歳の男性同士の結婚式が行われました。これはその数日前にオランド大統領が、同性婚を認める新法に署名をしたことがきっかけ。彼らはフランス初の同性結婚式を挙げたカップルで、保守派の反対がありながらも、式は無事に執り行われたそう。またこの新法では、同性カップルが養子縁組をすることも合法化されたため、男×男の家庭に子どもが……なんてことも、これからのフランスでは珍しくなくなりそうな予感です。

 現在のところフランスに加え、オランダやスウェーデン、ノルウェー、スペインなど、世界14カ国で同性婚がOKとなっています。でもそのほとんどがヨーロッパ。アジアでは台湾や中華人民共和国、ベトナムなどでは同性婚を合法化する動きも出てきつつありますが、日本の場合は憲法24条で「婚姻は、両性(男女のこと)の合意のみに基づいて成立し」とあるので、憲法を改正しない限り、法的な同性婚はムリな模様。残念……。

■韓国

 しかしそんななか、今年5月、韓国で48歳の映画監督、キム・ジョグァンス氏がゲイをカミングアウトし、19歳年下の男性と結婚すると発表しました。韓国も同性婚を認めていないので事実婚となりますが、ふたり揃って“ウェディングドレス”を着た写真を公開するなど、かなりカゲキなアピールをしています。
 これに対して韓国内では、「バッシングも多いけれど、若い層を中心に、徐々に支持者が増えている」(30代ソウル市民)模様。認知はこれからという感じですが、確実に変わりつつあるようです。

■日本

 そして日本でも、同性婚を認める動きが出てきた……といえるかはナゾですが、新婚夫婦によるぶっちゃけトーク番組『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送系)の7月21日放送予定回に、ついに同性婚カップルが登場するとのこと。日本人男性とフランス人男性による国際結婚カップルのセキララトークが聞けるのではと、ワタシも期待大! とはいえ彼らはフランス在住。では日本国内では実際のところ、どんな感じなの? 後篇ではそれについて、レポートします!

(文=久保樹りん)