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あの冷えとり雑誌のメンズ版が、食べ物を摂取せず性欲もない【絶食男子】を推奨

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「murmur magazine for men 創刊号」Amazonより

 〈冷えとりの女王・服部みれい〉が編集長を務め、さまざまな〈あたらしいこと〉をとりあげる『マーマーマガジン』は、これまでもWEB版『別マー』や別冊『body&soul』などのバリエーションがありましたが、この5月にはなんと『マーマーマガジン for men』が新登場です。

 冷えとり、経血コントロール、塩浴、布ナプキン、呼吸法などの自然派健康法をみれい節で紹介してきた『マーマーマガジン』ですが、男性向けとはこれいかに。イクメンとか自給自足男子とか房中術とか男性不妊のレメディとか? なんとなくそんなネタを頭に浮かべながら、さっそくAmazonでポチリといってみました。

 表紙をめくれば、まずはひっそりとした佇まいで〈創刊のことば〉です。

「あなたの中に眠る、『自然を呼び覚ます』雑誌です」
「あたらしい時代を生き抜くための あたらしい意識について書かれた雑誌です」

 とありました。そして待望の巻頭は……全く予想していなかった〈不食〉がテーマ! 〈あたらしい〉を連呼しつつ、西洋的な物質文明に批判的なニューエイジ思想は相変わらずのご様子で、『マーマーマガジン』のブレない姿勢にまずは拍手です。

 さて〈不食〉とは、食べ物をとらずに生きるライフスタイルのこと。その存在は一部のジャンルで話題とされることも珍しくなく、書籍も多数出版されています。
参照1:続々と出現する「不食人類」!!  彼らの身体で何が起こっているのか?
参照2:『不食 人は食べなくても生きられる』(山田鷹夫著・三五館刊)

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 固形物だけでなく水すらも飲まず、なぜ即身仏状態にならないのか? 巻頭のインタビューに登場する不食歴7年という弁護士の秋山佳胤(あきやま よしたね)氏曰く、太陽の陽を浴び、大気中のエネルギーであるプラーナを食べているので体を維持できるのだとか。水分も、必要な分はプラーナから合成。一般的に体の維持に必須といわれている栄養素=たんぱく質や炭水化物などは、本当はその成分を摂取しているのではなく、〈いのちのエネルギーをいただいている〉と語られていました(逆に〈いのちのエネルギー〉要素が薄そうな、点滴で命をつないでいる場合などの説明も聞いてみたいものです)。

 これまで〈絶食系男子〉といえば恋愛しない男性のことでしたが、まさかのリアル絶食男子がここに! さすが創刊号、インパクトのあるネタをぶちこんできますね。

 絶食男子・秋山弁護士は、不食を実践して以下のような変化を手に入れたそうです。

・昔はハードに体を鍛えて苦行が大好きだったけど、今はすっかり引きこもり。通っていた空手道場も休会し、事務所でボーッとしているのが好きになった。

・プラーナを食べて生きていると頭がクリアになり、蚊も自分の一部であると感じられるようになる、だから蚊を殺す気がなくなる。

・胸が痛くなることも、腹がたつことも、恐怖を感じることもなくなる。

・エネルギーに満ちているから、消化排泄力が向上! 添加物も毒も何でも食べて大丈夫。

・男性女性という視点でものを観ず魂の部分と話すので、性欲はもうなくなった(ただし体力はあるのでやれと言われたらできるそうです)。

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山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

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