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貧乏な男はモテないと言うけれど…年収にこだわってるのは誰?

【この記事のキーワード】
Photo by Caroline from Flickr

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 最近のネットニュースで気になったのがこちらの記事「約7割の女子が〇〇〇! 気になる男性が貧困男子だったら諦めるor思い続ける?」(マイナビウーマン)。「いいなと思っていた男性が貧困男子だった場合、どうしますか?」という質問に対して、およそ7割の女性が「諦めて次の男性を探す」と答えているそうです。女性の貧困問題は昨今耳目を集めているところですけれども、経済的な不遇に陥らないためにも、女性にとってパートナーの経済状況は重要であることは理解できます。

 今回の設問における「貧困」の定義はよくわからないですけれど、記事中で紹介されている女性の意見のなかには「年収250万円」というキーワードがでてきている。こちらの記事でも使用した統計『民間給与実態統計調査』(平成25年分)を見てみますと、結婚適齢期的な年齢の男性の平均年収は25~29歳が371.4万円、30~34歳が437.6万円、35~39歳が498.9万円……となっている。「年収250万円」はたしかに平均以下であり、生活は楽ではなさそうです。

年収額だけで男の価値ははかれない!

 年収額って、結婚相手としての男の価値をはかる上ではとてもわかりやすい指標です(私もお金の話が大好きなので、学生時代の友達と集まるとほぼ確実に『で、今、いくらもらってんの?』と訊ねます)。当たり前ですが、年収額だけで人間の価値は決まりません。また、その人の経済力を測るうえで年収額だけを気にしていては、見誤る可能性が高いように思われます。

 たとえば、年収額は低いけれども、会社の福利厚生が充実しているケース。給与の金額自体は高くなくても、家賃補助や社員寮に住めて居住費がかからないので自由に使えるお金は、給与の額面以上にあるよ、という方は金融業界に勤めている方などに多いです。額面は同じ年収250万円でも居住費が節約できる職場に勤めている人とそうでないとでは、まったく数字の重みが変わってきますよね。前者は手取り200万、後者は手取り160万かもしれないわけですから。本気で婚活中の女性は、そのあたりもしっかり確認しておいた方が良いですよ。

浪費は鬼門

 また、逆に年収額は普通や並以上だけれども浪費グセがある、というのも危険です。私の友人でも30歳で年収は600万円と人並みに以上にもらっているけれど、極度のレコード・オーディオ狂であり、収入のほとんどを趣味につぎ込んでしまうため、貯金はまったくない、という浪費家がおります。勤め先は大手システム開発会社……と安泰な雰囲気を醸し出しつつも、爆音で音楽を聴くために、わざわざ音大生用の防音室付きマンションに住んでいる彼の生活に、女性が入り込む隙がそもそもなさそうではありますが、わかりやすく年収額があてになっていないケースです。

 そうした浪費グセに対して前述のマイナビウーマンの記事では「改善させてみせます。あるだけお金を使ってしまう男性と結婚しましたが、出すところと締めるところを判断できるようになりました」という声が上がっていましたが、浪費グセを改善させる、ってハッキリ言って至難の技だと思います。そもそも、本人がその出費を浪費だと思っていない可能性がある。「え? 俺が好きなだけレコードに金を使うのはなにが悪いの?」と悪気なくごくごく普通に考えている人に、「結婚したのだから趣味費は削って。老後の人生設計や子供の教育を考えて、家計を見直しましょう」と言っても、「必要な出費なのに、ムダ使い扱いされた……」と不満に思われてしまうかもしれない。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra