年収は最重要事項ではない?
しかしながら、結婚願望を持つ未婚女性に「結婚相手の年収いくらぐらいが理想?」と訊ねてみても、実際ははっきりした答えが返ってこないものです。大抵、「えー、普通くらい……」と回答されることが多いのですが、「普通ってどれくらい?」と訊くと、答えはまちまち。共働き前提の方々は「350万くらい」、「20代なら400万、30代なら500万、40代で600万、退職金はそれなり、という会社勤めなら理想的」、専業主婦志向でも堅実派の方は「早く仕事辞めたいから最低500万」、稀にバブリー路線で「絶対1,000万以上!」などなど。意外と多いのは、「親に反対されたくないから、親が納得してくれるような仕事と年収であってほしい」という声。そういう親孝行な女性からは、「だから胡散臭い肩書きの人はいくらお金持ちでもムリです。親を泣かせたくないので」とも……。ただ、最後に皆さん、「お金に関係なく、好きな人と一緒になりたい」とロマンチック・ラブ・イデオロギーに乗っ取ったお言葉も残されますが。まあ、いくらお金持ちでも少しも愛情を持てない相手と夫婦生活を送るのは苦痛かもしれませんね。
ある女の子は「お金じゃなくて、どれだけ一緒にいてくれる人かで(結婚相手は)決める。仕事や夜遊びばっかで同じ時間を過ごそうとしてくれない人だったら、結婚する意味がない!」と言っていました。それを聞いて、私、思ったんですよね。男の“年収”を気にして勝手に重要だと思っているのは、女性よりも男性自身なのでは、と。一部の男性は、前出の記事のような「結婚相手選びで、お金は大事な要素☆」と女性がのたまうシーンを見つけると、「女は金目当ての薄汚い生き物だ!」と嫌悪感を覚えてネット掲示板に卑屈な主張を書き連ねたりしますが、それって、女性に対してじゃなくて、自分自身が稼げないことへのコンプレックスですよね。ただ同時に、「年収は高いのに結婚できない」という男性もいるわけですが、「仕事に時間を割きすぎている」場合、「お金より時間」派の女性からは見限られてしまうかもしれません。また、もし仮に「これだけ稼いでるんだから、俺の行動に文句つけるなよ」と言いたいオラオラタイプの方でしたら、そりゃ奥さん志願の女性はイマドキ少ないでしょう。
最後に、「う◯こ味のカレーとカレー味のう◯こ」方式の質問になりますが、先ほどの未婚女性陣に「年収1,000万円あるけどゴルフとか仕事で全然家に帰ってこないダンナと、年収250万円だけどちゃんと家に帰ってきて家族団らんの時間をとってくれるダンナ、どっちが良い?」と別の質問をぶつけてみると、後者を選ぶ女性も多かったです。私なんかは、「えー、年収1,000万円で家に帰ってこなくても、家にお金入れてくれれば良くない?」と思ってしまうんですが、どうもそうとは限らないらしい……。
■カエターノ・武野・コインブラ/80年代生まれ。福島県出身のライター。Twitter:@CaetanoTCoimbra
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