編み込みおさげの清楚系
――ところで、ちいめろさん自身はどんな子供服を着て育ったんですか?
ちいめろ ちい自身は、母親が洋裁が好きだったので、母の作った服を着ている写真が多いです。でも、ちいは洋裁は得意じゃないんで、(子供のために)作ろうかなあと材料を買ってきたことはあるんですけど、「無理だな」とあきらめました。
――リボンを作るのはすごくお上手ですよね。
ちいめろ リボンを作るのは好きですね。ちいの子供時代は、親が厳しかったので、毎日髪型も編み込みできっちりおさげ、みたいな感じでした。
――お母様の作った服というのはわりと清楚系というか、お嬢様っぽい感じだったんですか?
ちいめろ そうですね、そんなハデハデじゃないです。
――「もっと違うテイストの洋服が着たい」と反抗したり、既製品を欲しがったりはしなかった?
ちいめろ 子供ながらにネコかぶりというか、親に反抗はしていなかったですね。小学校高学年くらいからは徐々に、「ちいはこういう服が良い」とか「髪型はこうがいい」とか主張し出したんですけど、それまでは親が服を選んでました。
――なるほど。「こういう服が着たい」と主張した際、「みっともないからやめなさい」と親から怒られたりはなかったんですか?
ちいめろ 怒られたりとかはないですね。そこで親はなにも言わなかったです。
――琉ちゃろくんはすでに、自分の着る洋服にこだわっていますよね。
ちいめろ そうですね。私が着てみてほしいと思う服を見せながら「琉これどう?」と聞いても、「それは嫌」とか「それは着たくない」とか意見を言うようになりましたね。
――アンチの話に戻ってしまいますが、ちいめろさんが琉ちゃろくんを「着せ替え人形」扱いしている、という非難もあります。彼に服を選ばせることなく、着たくもない服を無理矢理着せているのではないか、という疑念です。実際は琉ちゃろくんも、妹のぴめちゃんも、「今日はこれが着たい」と主張している?
ちいめろ そうですね。ちい自身がお洒落がめっちゃ好きで、だから子供にもお洒落な子供になってほしい。着る服を全部ちいが決めると子供の感性も育たないので、ある程度は自分たちで選ばせています。でも、琉の撮影衣装に関しては、服自体がめっちゃあって一から選ばせるのは大変なので、前回の撮影衣装とかぶらないようにある程度ちいが絞ってから、「この中でどれが良い?」と選ばせるようにしています。
アンチの激しい思い込み
――アンチの人は「子供は嫌がっている」「子供はこんなことしたいはずはない」と思い込んでいるところがありますよね。
ちいめろ そうなんですよ。髪も「無理矢理染めている」と言われていて。でも嫌がって暴れてジッとしてない子供の髪の毛をきれいに染めるなんて、普通に考えてムリじゃないですか? 美容院で染めているし。ブリーチも「痛がってるのにかわいそう」とか言われるけど、ちいは頭皮がめっちゃ強くてブリーチして痛いとか感じたことないんですよ。で、琉も遺伝なのか、頭皮が強いみたいでブリーチ中に全然痛みが出ないし平気な顔してるんです。本人に痛くないか聞いても、「冷たいだけ~」らしいです。
小学校になって環境も変わりましたし、本人の考えもどんどん変わっていくと思うので、毎回美容院に行くたびに、髪型や色をどうするかは本人と話して決めています。「お友達の○○君は髪の毛黒じゃん、今日は琉も黒にしてみる?」とか聞いているんですが、「琉はこの色が良い」と言うんです。
でも、こういう発言をすると、今度は「子供のせいにしている」と言われるんですよね。
――アンチは「子供はホストの服なんて着たくないはずだ/髪を染めたくなんてないはずだ」という思い込みありきで、「派手な服を着せておかしな親だ」と否定にかかるけれど、ちいめろさんが「こうしろ」って命令しているわけじゃないのだから、放っておけばと思います。むしろ、ちゃんと子供と対等な目線で意見を聞いて対話しながら服を決めているってすごいと思いました。「今日はこれを着て!」って親が決めたほうが早いし、ラクじゃないですか? 子供の意見を取り入れて相談しながら服を決めていくというのは、骨の折れることだと思います。
それにいくら誰にでもウケがよい清楚な格好でも、子供が嫌がっているのに着せているのだったら、その方が問題だと思います。たとえば子供が、「お父さんとお母さんは私に地味な服ばかり買ってくる。でも私は、ビビッドなピンク色のワンピースが着たい」と思っていたとして、ある日、デパートで「あのピンク色のワンピースが欲しい!」と主張したときに、対話もなく「あんな服みっともないから着るな」と頭ごなしに否定しちゃうとしたら。子供は傷つくと思うんです。
ちいめろ 自分で選んで買えるようになる年齢までは、ほとんどの子供が親の趣味で買った服を着ている。ちいは好みのファッションがただ派手なだけで、「着せ替え人形親」と言われるけど、地味な服だって親の趣味で決めていることにかわりはないと思うんですよ。じゃあ同じじゃないかなって。子供に派手な服を着せていると、本当にたまにですが、すれ違い様に「かわいそう」と言われることもあります。年配の方が多いですね。
――アンチの方たちの意見で、子供にあんな派手な格好をさせたらいじめられる、というのもありますね。それって、発言者が「派手な格好をしている子はいじめても良い」と思っていることの証明ですよね。「みんなと違うからいじめていい」って子供たちが思っちゃうんだとしたら、そっちの親のほうが怖い。
ちいめろ 髪を染めているからいじめられると言われるけど、いじめにあう子供は派手な容姿が原因でいじめられてるのかっていうと違いますよね。それに、ちいが子供の時、同級生で金髪に染めている女の子がいたんですが、人と違うから人気者でしたね。
――自分とは違う者が受け入れづらい。自分の知っている範囲内に当てはめて考える。「ちいめろは自分のことしか好きじゃなくて子供のことは愛していない」というアンチの意見があるけど、そういうことを言う人たちの方が、よっぽど自分のことしか好きじゃないと思います。
ちいめろ 「ちいめろは自分のことしか好きじゃない」それめっちゃ言われますね。でも、アンチには色々言われてきたけど、結局はなにかにつけてケチがつけたいだけなのかもしれない。
ちいは料理とかつくってもあんまりブログに載せないし、作れないわけじゃないけど、作るのもあんまり好きじゃないです。だけど一緒に住んでいる母が作ってくれるので、子供たちはちゃんと美味しいもの食べてますよ。家事をしてない、料理を作っていないから悪い母親だって叩かれますけど、だれがごはんを作るかって家族内の話だと思うし、料理をするから良い母親というのも違うと思う。それに、ちいが作ったごはんをたまにブログに載せると、今度は「見栄えが悪い」「組み合わせが悪い」「まずそう」とか文句言われるんですよね(笑)。
――ケチをつけはじめるとキリがなくて、「鰹を削って出汁をとらなきゃいけない」みたいな、どこの料亭だよというレベルの要求までしてきますからね。子供にカップラーメンしか与えていないとかだったら、アンチが叩きたくなる気持ちも一応わかるんですけど、そうじゃない。食事って三食のバランスなのに、そのうちの一食に対してだけでも本当に執拗にたたくじゃないですか。
ちいめろ そうなんですよ。「野菜が少ない」とか。
――重箱の隅をつつくように、画像を拡大とかしてすごい見てますよね。お母さんという立場になった人が家事と育児以外のことをすると、とにかく叩きたいという人がいる。でも、琉ちゃろママとかぴめちゃんママとかじゃなく、「ちいめろ」として自分のやりたいことをやっているのがすごく良いと思います。お母さんになると、「○○ママ」というのみの存在になってしまい、そのことについて悩んでいる女性たちも数多くいます。それをテーマにテレビドラマが作られるくらい一般的な悩みであり、問題になっている。ちいめろさんはそういうのなさそうですね。
ちいめろ そうですね。ちいはちいだから。
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「ちいはちいだから」と潔く自我を貫くちいめろさん。SNSの共感主義や同調圧力に疲れたり、「女だから、母だから」という圧力に悩んでいる人も多い中で、この潔さや打たれ強さはには、楽しく生きるヒントがたくさん隠されていそうです。後半では、「ちいめろ星の1日」や、「アンチとの攻防戦」など、まだまだたくさん語っていただきます。
■ちいめろ
国内最大級のママブログコミュニティ「mama Decolog」(ママ デコログ)でナンバー1二君臨するブロガー。 2児の母。ブログ「6歳のホストくん(ハート)琉ちゃろ」
■ 柴田英里(しばた・えり)/ 現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。Twitterアカウント@erishibata