無職アラサーの僕が読者の皆さんに逆人生相談をする連載、「無職アラサー男性の人生相談」。元恋人への未練について相談した回のコメント欄に寄せられた「顔を見て話せる人に相談すべきです」とのアドバイスを受けて一念発起、KENJIさんに直接お会いして相談に乗って頂くことにしました。
KENJIさんは、「女子会の帝王・KENJIの美タミン注入☆」にて日々数多の相談に答えてきた正当派人生相談の達人です。女子会の帝王の異名を持ち、これまで様々な恋愛相談に乗ってきたKenjiさんなら、きっと人生経験の浅い僕なんかには思いもよらないような答えを下さるのではないか。とそんな期待を胸に、2年ぶりに上京、messy編集部を訪れました。
当日は緊張してかなり胃が痛く、怖くてずっと震えていました。ナマKENJI美ンタが炸裂したら、僕は精神的にも肉体的にも死んでしまうんじゃないだろうか……。アントニオ猪木の100倍怖いんだけど……。
KENJIさんには、元恋人への未練を断ち切る方法だけでなく、これからどうやって生きていけばいいのかなど、多岐に渡る相談に乗って頂きました。果たしてこのどうしょうもない僕に、どんなKENJI美ンタが炸裂するのか……? 無職×KENJI、異色の人生相談コラボ対談をぜひご一読下さい。(無職アラサー・奥山村人)
「なんでもいいから働きなさい」
奥山 僕なんかのために今日はありがとうございます……! 無職にはいくらでも時間があるので、今日のためにKENJIさんのご著書『女子会のお作法』やご出演されているテレビ「クロ女子白書」も全て拝見して参りました! いや~大変面白かったです!
KENJI 媚を売ったって無駄よ! アナタみたいな汚べんちゃらブスには容赦なくKENJI美ンタするからね! ……それで、おっくんの相談は「元カノが忘れられない」ですっけ?
奥山 そうなんですよ! 大学生のときに付き合ってた、同級生で5つ年上の彼女なんですけど、就職活動が始まったあたりから喧嘩ばかりになっちゃったんですね。僕は働くことに生きがいを見出すなんて馬鹿馬鹿しいと思っていて。就きたいと思っている仕事じゃなくて、その時点の自分の実力で楽に入れる仕事を探してたんですけど、仕事が自分のアイデンティティとクロスしてる彼女はむしろ難しいと言われている会社にもバンバン挑戦していたんです。
本当は、僕は書くことに関係する仕事に就きたかったんです。でも彼女には言えなくて、結局そのまま別れちゃいました。それからくっついたり離れたりを繰り返していたんですけど、会社を辞めたことをきっかけに、彼女に「ずっと隠してたんだけど、実は作家になりたいんだ」って打ち明けたんです。そしたら「言えばよかったのに。じゃあ私が働くから、結婚しようか」って。でも今のままじゃ結婚なんてしちゃいけないと思ったんです。それで「できません」って……。
きっとお互いに好きだったと思うんです。だから、望みが捨てきれない。未練タラタラなんです。でも諦めなきゃいけない。でも捨てられたくない。でも僕は……僕はどうしたらいいんでしょうか……?
KENJI アナタの連載読ませていただきましたけど、「なんでもいいから働きなさいよ」って思っちゃったのよね。別れたりくっついたりしてる人たちの末路で、結婚できた人をアタシはみたことないわ。大根おろしあるでしょう?
奥山 大根おろし!?
KENJI 大根おろしって最後まで削ると、小さい塊が残るのよね。それを捨てちゃうか、刻んで使うかのどちらかだと思うんだけど、きっと捨てる人の方が圧倒的に多いと思うのよ。
奥山 捨てられたくない……捨てないで……なんでもするから……。
KENJI でもそれが現実なの。捨てられないためには、アナタが「無職万歳!」なんて言ってないで、変わらなくちゃダメなのよ。彼女はその間にいろんなことが変わってると思うわよ。
あんな面白い連載が書けて、アタシに相談しに東京にまで来るエネルギーがあるんだから、それを仕事に向けたらいいじゃない。人には良いところも悪いところもあるんだから、おっくんの良いところを成長させたらいいのよ。そうしたら元カノだって振り向いてくれるかもしれないわよ。「これだけは決してブレたくない」ってあるの?
奥山 働かない、ですね。
KENJI ……うん、それでもいいわよ。でもなんでそんなに働きたくないのよ?
奥山 嫌なことをしたくないんですよ。
KENJI ……そうなのね。書くことは嫌なことじゃないの?
奥山 嫌じゃないです。
KENJI じゃあそれを仕事にすればいいじゃない! きっとおっくんの文章を読んで救われてる人だっていると思うわよ。そういう人が増えたら、それは立派な仕事じゃない。
奥山 書くことが仕事になるってイメージが出来ないんです。普通に働くことと、僕が好きな書く仕事がうまく合致できないんです。それに、生活できるほど稼げる自信なんてないし……。
KENJI じゃあ諦めなさいよ! お金がないと自分の欲求を満たすこともできないのよ。アナタが今着ている素敵なお洋服だって買えないし、ご飯だって食べられないのよ。今はどうやって生活してるのよ。
奥山 今は親が健康なので……スネを……。
KENJI 親のスネもねえ、齧り過ぎてきっとゴボウみたいになっちゃってるわよ。
奥山 そうなんですよね……親もいよいよ年金生活なので、今はそれをあてに暮らしていて……。