
Photo by eronimo sanz from Flickr
数ある疑似科学ネタのなかでも、超有名な『水からの伝言』(江本勝著)。「ありがとう」などのきれいな言葉をかけると美しい結晶ができることから〈水が言葉を理解する〉というお説を打ち出し、シリーズ累計250万部突破。しかしその後、科学者たちに「ないない」と論破され、今やすっかり笑い話状態です。なのでこの水ネタを楽しむならば、単純に結晶の美しさに癒されるとか、〈安倍晋三〉と書いた紙を貼って実験してみるとか……そのくらいが適当かな、という気がします。
ところが、そんな〈ありがとう水〉が世に広まった1999年から10年以上たった2013年、『スピリチュアル美肌革命』(神岡シンゴリス著)なる電子書籍で〈言葉で水の波動を高め、美肌を作りましょう〉なる提案が! まだ言うか! 言っちゃう人が、いるのか!

Amazonより
同書では、こんなお説が語られていました。〈水に言葉を投げかけると、その言葉に結晶の形が影響される。それと同様に植物も言葉によって枯れたり花が咲いたりして、同じ結果になる〉そして著者は〈気づいてしまった(原文ママ)〉そうです。植物が言葉で変わるなら、同じように水分を持つ人間も同じ効果が得られるんじゃないかと。
そこで〈体全体が水で包まれるお風呂〉に着目。今まではシャワーですませていたのに、湯船につかり〈元気になる言葉を魔法の呪文のように〉つぶやくと、なんということでしょう。何をやっても治らなかった赤いポツポツが、サーッと消えていったのです。だそうです、ふう。
感謝の言葉を投げかけた水が、体にいい作用を及ぼす。それならば、スクール水着の股部分から流れる、別の〈ありがとう水〉や、お嬢様のための美の聖なる水でありプリンセスホーリーウオーター(By開発者)である〈お嬢様聖水〉は、これらに感動する一部の男性たちのお肌をピッカピカに磨き上げそうですが。
著者は〈ありがとう風呂〉で肌トラブルが改善された効果を〈現実は小説よりも奇なり〉と言いますが、それって血行が改善されてターンオーバーが整ったからでは~。ぜんぜん奇じゃない。
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