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指名なし・酒なし・同伴なし! おじいちゃんだらけのキャバクラ

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こんにちは! 場末のキャバ嬢こと、おはなちゃんです。しかし社会人になってからというもの、キャバクラに出勤することはほとんどなくなりました。キリがいいから辞めてしまおうと思ったのですが、なぜか店長に「名前だけ残しておいてくれ」と頼まれたので在籍嬢のままです(笑)。

私の働いていたキャバクラは、独特なお店でした。在籍しているお姉さんは、18歳から37歳までと超幅広い(笑)。普通はそんなに開きありませんよね。系列の姉キャバと合体して今の状態になったようですが、それにしても幅広い。お店全体の雰囲気もしっぽりしていて、最初「ここはスナックか?」と思ったくらい。そんなお店なので、20代男子が来ることは本当に珍しくて、たまに当たると「なんでココ来たの?」って聞いてしまうほど(笑)。きゃぴきゃぴしたキャバクラではなく、まったりお酒を飲むようなお店でした。大体30~70代くらいまでのお客様で賑わっていたのですが、中でも70代のおじいちゃんが高頻度で来店するお店でした。

常連のおじいちゃんは5~6名くらいで、それぞれ指名はせずにフリーで来店しては、サクッと飲んで帰ります。飲むって言っても、ウーロン茶。お酒を飲んでいる姿は見たことがありませんでした。皆さんドクターストップがかかってるらしいです(笑)。今日は、その中でも印象的だったおじいちゃんエピソードを紹介します。

病院帰りにやってくる仲良しおじいちゃん二人組

お店のオープンは20時なのですが、19時半にはお店の前のベンチで開店待ちをしていた二人組のおじいちゃん(笑)。夕方の診療を終えて、病院から1時間ほどお散歩して、うちの店に来ていました。そのおじいちゃんが来る日は、「おじいちゃんオハヨー」と挨拶してからお店に入ることが女の子達にとって普通になっていて(笑)。

席で話すことといえば、主に「病気」か「健康」について。『今日も検査でさ~、血抜かれたんだよ、見て!』と言って、腕を見せてくるおじいちゃん。『俺なんて今日は3本抜かれた!』と言って張り合う友達のおじいちゃん。初めて彼らの席に着いた時は、正直戸惑いましたが、だんだんと心地良く感じるようになっていきました。

大事な検査の前日には、お店の女の子みんなで「明日の検査頑張ってね! 早く元気になってね!」とメールしたり。営業メールなんて送らなくても、通院日には勝手に来てくれたので、私達も2人のおじいちゃんに懐いていました。通院日なのにお店に来ない時は「おじいちゃんどうしたかな? なんかあったかな?」とみんなで心配したものです。そんな私達のことをとても可愛がってくれて、なんだか本当のおじいちゃんと会話している気分になる時も(笑)。

おじいちゃん達にとって、うちのキャバクラは「夜のデイサービス」のような場所だったのかなと思います。家でひとりで夕飯を食べるのも毎日だと寂しいし、施設に入るほどではないけれど、病院には通わなければならない程度に体の不調があって不安。そういった寂しい気持ちや、苦しみを忘れられる場所だったのかもしれません。おじいちゃん達は、『俺らもまだまだ現役だから、若い女の子を見ていたい! ちんこだって勃つ!』なんて下ネタも言っていましたけれど、もしかしたら、20~30代の私達を、娘や孫と重ねて見ていたのかなぁ、なんて思ったりもしました。

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おはなちゃん

オープンスケベ。4歳で初めて股をこすってから、性に目覚めた22歳。普段は女子大生、事務アルバイトをこなしながら日々性を楽しんでいる。おじさんキラーであり、現在24歳年上のおじさまとお付き合い中。