I・NO・RI
あたしを病院に一切近づけたくない母は、メール攻撃を続けるキュウ。
母Mail「絶対にその病院には近づいてはいけません!電話が来ても無視して下さい!」
母Mail「ピルをもらいに行くのも他の病院にしなさい」
母Mail「あなたの健康、将来を思って言ってることです」
病院に検査結果を聞きに行くとういう選択肢すら奪おうとする親子関係ってなんなんだキュウ?
親心の気持ちは分かるキュけど……さ……。
あたしがメールを無視していると怒り口調での留守電攻撃が。
母留守電「あなたのがん検診を受けたという行動が将来ある若者の行動、考えとは信じられない!」
母留守電「あなたの健康への考え方の基本が他力本願です。病院、医者の言う通りにするなんて!」
た、他力本願だキュウ……??
ちょっとこれはひどくないかキュウ…?
しまいには
「医療の最先端は祈りです」
キュキュウ~~!! 出た出た、スピリチュアルBBA~~~。

舞い上がれ~ミラクル起こせ~
母が唱えている、健康な食生活をし、免疫力を高め、がんになる可能性を自力で絶て、という考えも納得できないわけじゃないキュウ~。
でもね、何年も言われすぎてあたしもう疲れたキュウ。
母「やりなさい」
あたし「できません」
母「なぜやらないの」
あたし「できませんキュウ……」
この繰り返し、普通疲れるキュウ。
その後も、互いに相容れることのない喧嘩メールを毎日やりとりし、疲れ果てて、あたしは母の「再検査の結果を聞きに行くな」という要求を受け入れてしまったキュウ……。
一応、近藤誠の著書も読んだキュウ。近藤先生の主張も分かるは分かるけど、近藤先生の意見を否定している医療関係者が数多く居るのも事実キュウ……。
あたしは一体何を信じたらいいのキュウ?
しばらくして産婦人科医から一通の封筒が。
中身はもちろん検査結果についてだと悟ったキュウ。
母からは「手紙が来ても開封せずシュレッダーにかけて捨てなさい。もう検査行ったことを無かったことにしなさい!」と言われてたキュウ~。
けど、結果を知りたいという気持ちと、弱冠の母への抵抗の意思もあり、開封したキュウ。
「中等度異形成でした」と結果が書かれてあったキュウ~。
国立がんセンター中央病院の資料いわく、異形成から子宮頸癌へ進行するのは軽度異形成で1~2%、中等度異形成では20%程度、高度異形成40%程度らしいキュウ。
つまり、検査にひっかかったけど、まだがんではなく、がんになる可能性も20%程度。可能性は低いが、なるかもしれない可能性もあるということキュウ。
とりあえず、今すぐに治療を要するわけではないこと、2年以内に正常に戻る確率が高いので様子見でいいということがわかって、ほっとしたキュウ。
実家に帰りたくありませんキュウ
安心したのも束の間。
この件を経て、実家と少し距離を置いていたあたしは、その年のお正月に帰省しなかったキュウ。
思えば以前から、帰省したくない気持ちはあったのキュウ~。
アラサーに踏み入れた頃から太り出したあたしに、母は容赦なくダメ出ししてくる人で、帰省して久々に顔を合わせると、
「太った。痩せなさい。年齢よりも老けている。化粧ノリが悪い。おばさん体型だ。食べている物が悪いから太るし、肌も汚い。あなたからハッピーホルモンが減っている。食生活が悪いからだ」
と矢継ぎ早に言われて凹むのキュウ……。
一人暮らしの部屋に戻ってもしばらくは、メールで同じことを言われる日々が続くキュウ……。
全てはあたしのことを思って言ってくれてるらしい。それは頭では分かってるけど、そんな母親にいら立ち、実家への足が遠のくのも当たり前じゃないかキュウ? あたしは心が弱い奴なのかキュウ?