カルチャー

ひらりふわりとスカートが舞う世界で、自由を手に入れたオッサンに泣いた話 鳥野しの著『ボーイ☆スカート』

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読み終わった後、ちょっぴり世界が違って見える

 なにもかもは、マンガの中の話だ。本を閉じていくら待っても、空からスカートは降ってきてくれないし、“スカートをはいた男”とされた者は変わらず写メられ晒されつづける。それでも、それでもだ。なんとなく、まるで雨上がりの朝みたいに、この作品を読んだ後には何もかもが一度洗い流されたように見えるのである。

 作者である鳥野しのさんは、実際に街中で「スカートはいた男子高校生」を見かけてこの作品を描き上げたのだという。

 『ボーイ☆スカート』は、スカートはいた男子高校生を、ドタバタギャグな笑いの対象としても、悲惨な差別に苦しむ憐れみの対象としても描いてはいない。ただ、雨みたいな作品である。こまやかにやさしく、でも、確実に何かを洗い流してくれるような。

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牧村朝子

1987年生まれ。タレント、文筆家。2013年にフランス人女性と同性婚、現在フランス在住。セクシャリティをテーマに、各種メディアで執筆・出演を行う。将来の夢は「幸せそうな女の子カップルに”レズビアンって何?”って言われること」。

twitter:@makimuuuuuu

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