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結婚は大いに誤解されている? 恋愛市場からのアガり=終了、ではない

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 それに、結婚すると離婚できる

 なにを言っているのか……と思われるかもしれませんが、一度結婚生活を送ってみて、結婚の効用を正当に評価できるようになった上で、離婚すればまた自由恋愛市場に舞い戻れるわけですから、これはもう一回死んで人生をやり直した的なチート・モードみたいなものでは、と思います。バツ付きになってからあらためて恋愛市場を見渡してみると、かつてとは違う視点が身についていることに気がつくでしょう。つまり「どーでもいい男で時間を無駄にしなくなる」ってことです。

 先ほど「恋愛しないメリット」という言葉を使いました。恋愛はことさらに「良いもの/楽しいもの/みんなエンジョイしようよ!」と語られがちですが、良い側面だけでないことは誰だって身をもって知っていますよね? 恋愛によって気分の浮き沈みが激しくなり、仕事に支障を来たして落ち込んだり、彼が自分のことを本当に好きかどうか確かめたくて不安になったり、束縛したりされたり、特定のパートナーに時間を割くため他の人間関係が希薄になったり、負の側面だってたくさんあります。恋愛をゲームとして楽しんでいても、勝ちばかりではないわけで、こてんぱんに負けてメンタルがヤバくなることもあるでしょう。恋愛沙汰で周囲に迷惑をかける困ったさんもたくさんいます。ゆえに、恋愛しない選択を取ることで得られる個人的なメリットは大きいと思うのです。

 私の古い知人で、10代~20代にたくさん恋愛を謳歌して、適齢期に付き合っていた相手と結婚したものの、夫婦の価値観の不一致で離婚した人がいます。その人は今、バツイチ独身なわけですが、「もう今は結婚前提の恋愛する必要がないからすっごくラク」と述べていました。いわく、「誰と恋愛してても『いつか結婚しなきゃなんだよなー、この人は夫としてどうかな?』とか考えることがあったけど、もう考えなくて良くなったから気持ちが楽になった」そうなのです。

 自身の感情の乱高下も含めて「恋愛が好き」な恋愛体質の人でも、一度、結婚からの離婚を経験すると、「もういいや」と距離を置きたい気分になるようです。「子供がいるから新規の恋愛を育む時間はとれない」とか、物理的に「恋愛が無理」な理由も出てきます。なるほど、恋愛体質で困っていた人、恋愛に耽溺しがちな人にとって、結婚・離婚経験は一番のショック療法になり得ます。「一生恋愛してないと生きていけない!」と思っている人でも、一度結婚して、離婚すると「今まで溺れていたもののって、こんなものだったのか……」とすごく楽になると思うんですよ。一方で、恋愛依存――特に男性へ依存しがちな女性――の方で、一度の結婚・離婚で何も学ばずまた次の恋愛に依存し、殴られて別れ、新規の恋愛に依存し、殴られて別れ……という道を辿る人もいるので、一概には言えませんけどね。

 

■カエターノ・武野・コインブラ/80年代生まれ。福島県出身のライター。Twitter:@CaetanoTCoimbra

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