かつて、スピリチュアリストの江原啓之が霊視をして、スタジオにやってくる様々なゲストの「オーラ」や「守護霊」や「前世」などを言い当てて解説をしていたお馴染みの人気番組、通称『オーラの泉』(テレビ朝日系)が毎週楽しみだった。
ゲストの知られざる境遇や悩みをえぐり出し、江原啓之が美輪明宏と共にこれからの人生へのアドバイスなどをすると、番組に呼ばれたゲストの表情が次第に晴れやかになっていく。そんな姿に「あぁ、良かったな~」「悩んでいたことがほぐされたのかな~」などと安堵し、すっかり番組にハマって見ていた。ゲストに向けて放たれる美輪様の“ありがたいお言葉”などを自分に置き換えてみたりして番組の余韻にひたっていたものである。
しかし、江原さんの“霊視やらせ疑惑”の影響か、やがて視聴率は低迷し、番組は2009年にレギュラー放送を終了してしまった。その後、特番で月1回の放送があったものの、それも数回で最終回を迎え、『オーラの泉』完全終了となった。残念ではあったけれど、またいつか復活してくれたらいいのにな~と思っていた。
そして2012年、その時は来たのである。江原さんも美輪様も出ないけれど、テレビ東京が深夜にこっそりスピリチュアル番組を復活させてくれたのであった。『オーラの泉』のようにお金のかかった荘厳なスタジオセットなどは全く無く、なんともポップな感じのスピ番組。江原さんではなく誰が霊視をしていたかというと、ぽっちゃり体系で笑顔がかわいい女子大生の“CHIEちゃん”だった。ほんわかビジュアルながら、いざ霊視を始めると真面目な表情に一変し、ゲストのオーラや守護霊を感知したうえで私生活の的確なアドバイスまでしてゲストが何度も驚いていた。おじさん(江原さん)から女子大生(CHIEちゃん)にスピタレントのバトンが受け渡された瞬間であった。
とりあえず黄色い男・ブンシャカ登場
その番組は深夜の単発特番で終わることなく、今年4月から毎週火曜のレギュラー放送が始まった。番組名はその名も『おしかけスピリチュアル』。7月23日放送回では、ゲストにアーティスト“遊助”が登場した。
タレントの上地雄輔のことであるが、今回はアーティストとしてコンサートを控えた遊助の楽屋におしかけるということなので、ミュージシャンスタンスであった。
そう、この番組はスタジオにゲストを招くのではなく、CHIEちゃんがゲストのもとへ“おしかけ”ちゃうのである。おしかけてスピっちゃうバラエティ番組なのだ。ゲストが彼女の存在を知っていてオファーが来る場合もあるのだが、CHIEちゃんが会いたい芸能人をリクエストすることもあり、毎回“どっきり”風にして楽屋などに突然おしかけている。
今回も例のごとく“どっきり隊”で楽屋に突然おしかけちゃうCHIEちゃんと同行MCのますだおかだ岡田。遊助はこの番組の収録があることを知らされずに(番組のお約束パターンとなっている)、ライブ前にお弁当で腹ごしらえしているところにおしかけられて動揺していた。
「実は神がかった人生を歩んできた遊助!!」とテンション高めのナレーションが入り、「幼少時代に小泉孝太郎一家と付き合いがあり」「横浜高校では松坂大輔とバッテリーを組み」「高校にロケに来た明石家さんまに挨拶したら、オマエ面白いから芸能界に入れと誘われ」「(自身の)ブログ閲覧数でギネス世界記録になった」という、なんとも恵まれ続けた人生を送って来た強者であると紹介された上地。まあ、ブログタイトルも「神児遊助」だし……。
早速、神がかった男・上地をCHIEちゃんがスピり始めた。まずは、“対象者のオーラや守護霊などを映像にして受信するという能力”だという“ダウンロード”から。集中してしばらく“遊助”を見つめていた彼女の第一声は「おっきいですね! オーラが!」であった。オーラが大きいというのはいいことだそうで、影響力の大きさでもあるらしい。しかも、そのオーラの大きさに匹敵するのが“北野武”だという。あの“世界のキタノ”と同じ大きさのオーラって、上地が海外で天下とっちゃうとか~!?
そのオーラの色はハッキリとした黄色で、意志が強く、陽気であったり人を楽しませる宿命を持った人に多い色だそうだ。芸能人で言うと“明石家さんま”や“きゃりーぱみゅぱみゅ”などが持っている色らしい。上地的にはおバカトリオで歌手デビューした“羞恥心”の時に黄色担当であったし、今度リリースされるという新曲が「とうもろこし」(SMR)だそうだ。というか、“遊助”名義でリリースしているシングル曲は、ひまわり、たんぽぽ、いちょう、ライオン、ミツバチと黄色縛りでしばらくやっていたし。えっ、マジでこれ、やらせじゃなくて?
CHIEちゃんいわく、オーラの色は自分の好きな色になったりすることが多いらしい。上地は小学校の卒業アルバムを見てもいつも黄色のものを着用していて、タスキも黄色だったと熱弁していた(夏は間違いなく黄色虫の餌食にされるよね~!)。そんな上地の黄色オーラはまばゆい輝きを放っているらしく、これから二年間は飛躍する時期だとか。
白い龍とかばあちゃんとか…守られすぎだよ上地
同行した岡田が、上地の“ダウンロード”内容がいいことづくめだから他にボロがないかどうかを探そうと、“意識を飛ばして他人の家に入り込む能力”という“ドロップイン”をCHIEちゃんに促した。また集中して上地を見つめるCHIEちゃん。
すると、「(部屋に)なんか、いっぱいものが溢れてるイメージなんですよね」と語り出した。それを聞いた上地は驚いた様子で「そうなの、俺、グローブ集めてんのよっ」と身を乗り出して「野球のグローブが80個くらいあんの!」と話した。多すぎ~! さらにフィギュアも相当集めているそうだ。さらにCHIEちゃんが「あと、多いの“額”ですよね?」と言ったとたん、「すごい!!」と体をゆさぶる上地。「結構、俺、いろんなマンガ家さんのサインをいただいてるの、お願いして」、それをまさに額に入れて大量に壁に飾っているようだ。
見事に自分の部屋の内部事情を言い当てられ、「今、俺の(部屋の)中にいるの!?」と驚愕する上地。芸能人だから、もっと広い部屋に住んでるかと思っていたけれど、芸能人の割にはこじんまりとしている部屋だったとCHIEちゃんは感心していた。結構な収集癖を見破られてしまったけれど、図らずも庶民的なところも見て貰えて、視聴者に遊助の好感度アップを果たしたかもしれない。でも、実は相当貯金してて数年後に10億円豪邸とか建てちゃうかも~。でも壁から屋根から家中全部黄色とかにしたらウケるかも~!
さらに、上地の体の周りには“白い龍”が見えるらしく、その白い龍に守られているそうだ。いかにも強運そうだな~! ただ、肺の辺りのオーラが少し薄く見えるようで、呼吸器系に多少気を付けた方がいいかもしれないという以外には身体的にも全然問題が無いらしい。また、素直な性格の人のオーラは見やすいそうで、素直に言葉や歌を表現することができる上地だからこそ、いろんな人に元気を届けられるのでは、と分析するCHIEちゃん。そしてどうやら、おばあちゃんを始めとする沢山のご先祖様にも見守られているらしい。龍やご先祖様からの愛情もたっぷりんこ!
これからの仕事に関しては、思いもよらない新たな方向の仕事をすることになるそうだ。それは楽しみにとっておいた方がいいということで、具体的には明かさなかったのだがどんな仕事だろうか? “世界のキタノ”ばりに映画監督しちゃってカンヌ行っちゃうとか!? 黄色好きでオーラも黄色だからって、まさか往年の名作『幸福の黄色いハンカチ』(松竹)のリメイクとか考えてるんじゃないでしょうね~!? 高倉健さんもビックリよ~!
私は特にファンじゃないのだけれど、ひとまず、北野武クラスの巨大オーラの持ち主である“遊助”こと上地雄輔が、これから近い将来仕事で新たな方向へ進んで行き、どんなでっかい花火を打ち上げるのかを見届けてみたいものである。
(スピ視聴・文=テレ川ビノ子)