蔑視の点では先輩ラッパーも負けてません。ミンホ君がこのラップを披露した際、居合わせた審査員(先輩ラッパー)も大笑いし、何かと話題のBlock. BのZICO(ジコ)君も大声を上げて満面の笑顔を見せたのです。
実はミンホ君とZICO君は、かつてBlock. Bの練習生として同じ釜の飯を食った仲。「さすが、ミンホ。そのラップ、イカすぜぇ」とでも思ったなら、噴飯ものです。審査するほうも、されるほうもレベルが一緒なら困りますよね。
また、前述の「BORN HATER」は同じ事務所のEPIK HIGHというチームの曲ですが、ここではそのメンバーが、ダサいラップを「ゲイ・ラップ」と表現しています。
2002年、日本のラッパー、ZEEBRAが所属するキングギドラが、ダサいラッパーを表現するのに、「ホモ野郎」「オカマみたい」という言葉を使い、ゲイの市民団体から猛抗議を受けました。日本ではこのとき、「人を批判するのに同性愛者になぞらえディスるーーこれこそがダサい」という共通認識が生まれた、と思います。
が、ゲイへの偏見が強い韓国は状況が違います。ミンホ君の先輩が未だに「ゲイ・ラップ」なんて歌っているのを見ると、あきれるを通りこして悲しくすらなってきます。
韓国ラップにはびこる差別意識。韓国自体がマチズモ国家だから仕方ない、という意見もあるでしょう。でもそれでは済まされないような気がするのですが……。
今週の当番=佐々木薫
ワルい奴らと、ワルそうな奴らが大嫌いなアラフォーK-POPファン。
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