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「女子はキレイを願うもの」「女子高校生に愛のムチ」セクシズムを垂れ流す練馬区とEテレ

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 「考えすぎでは」と思う人も一部にいるのかもしれません。しかし製作側は明らかに意識をしています。番組のホームページに載せられている、ナレーターを務める高田純次さんへのインタビューに、

Q.初め『むちむち!』という番組と聞いてどのようなことを思い浮かべましたか?
A.あ~、ずいぶんまたボンキュボンの子が出てくるんだろうな、これはオレがナレーションしなくちゃいけないなって思いましたよ(笑)。

 と書かれているのです。製作側も「むちむち」という言葉がなにを想起させるのかわかっているということですよね。そもそも先ほど紹介したツイートでも「イヤらしい番組ではありません」と書いていますし。「思いつきもしなかった」という言い逃れを準備する必要があるとも思わなかったようです。さらに、

A.視聴者の方への見どころを。
Q.ぼくの感じとしての見どころは、まあ、視聴者の皆さんには最初から最後までっていうね。うん。どこも、立っちゃいけないよっていう。トイレにいっちゃいけないよっていう。

 「トイレにいっちゃいけないよ」と書いていますが、「どこも、立っちゃいけないよ」には性的なニュアンスがあるように感じられます。親父ギャグを連発する高田さんにそれを言わせている時点で確信犯でしょう。製作側が「イヤらしい」視点は一切ないと開き直るのには無理があります。

 東京大学准教授の清水晶子さんがNHKに、問題点の指摘とNHKとしての見解を出すように問い合わせをされています。清水さんに対するNHKの回答は以下の通りです。

 公共放送であるNHKは、女性蔑視的な、セクシズムともいえるコンセプトを掲げた番組を問題ないと考えているようです。女性蔑視の問題を知らずにやっているなら無知、知った上でやっているのであれば無恥だとしか思えません。清水さんの指摘に対して答えていないということは、練馬区同様に、聞く耳を持っていない。いまのところ番組HPでもツイッターでも公式見解は発表されていません。これもまた「出したもの」だから打ち切れないという、事なかれ主義で押し通されてしまうのでしょうか。

 数多くの教育番組を製作している公共放送も、東京都23区の中で2番目に人口の多い練馬区も、そ知らぬ顔でセクシズムを垂れ流している現状に、とにかくゲンナリしてしまいました。
(水谷ヨウ)

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