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男友達との同棲はセックスなきコミューンの実現だ

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Photo by San Sharma from Flickr

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 先日放送された『24時間テレビ38 愛は地球を救う』で、チュートリアル徳井義実とスピードワゴン小沢一敬が、一軒家を借りて同居していることが明らかになったとか。BL慣れした人はこのニュースからすぐさま「徳井×セカオザ、いや意外にもセカオザ×徳井なの……?」と妄想を加速させてしまいそうですが「同棲」と報じられたふたりの同居事情は、実のところ、別荘的なものとして家を借りているだけのようです。

 この件について担当編集者(女性)に「いや〜、楽しそうでうらやましいな」とポロッと漏らしたところ、「えっ、男の人でもそういう願望あるんですか」と驚かれました。そのリアクションは私にとっても「えっ」って感じだったんですけども、詳しく聞くと「女友達と集まるとよくそういう話題になるんです。女だけかと思ってました」。また、いかにも金のなさそうな若者がシェアハウスしているなら理解も得られるでしょうが、そこそこ稼いでいて若くもない男がふたりで同棲しているとやはり「なんで???」と疑問を抱かれるどころか「男夫婦???」と偏見ばりばりの誤解をされそうです。まあ、そういう風に妄想をしてしまう人は、勝手に妄想させておけば良いです。

 だって、仲の良い男友達と一緒に生活するのって絶対楽しいじゃないですか。なんなら男女カップルで結婚生活を送るよりも楽しそうです。なぜ私(既婚男性)がそう思うのか?

 まず、妻や恋人を相手にするのと違って、確実に「気を使う総量」が減る。「女性と過ごしているときにいかに自分が気を使っているか」については結婚して何年も経った後に男友達とふたりで旅行をしたときに実感しました。その道程は、妻と旅行するときよりも、ずっと気楽だったんですね。相手も男だから歩いていてもすぐ「疲れた」って言わないし、お土産を買うのに迷って決められないのを待たなくても良いし。自分がそれほど妻に気を使うタイプとは思っていなかったけれど、男友達との旅行で「あ、意外に使っている部分があるんじゃん」という気づきがあった(もちろん、妻との旅行が楽しくない、というわけではないんですが)。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra