インタビュー

男子からの「好き」を集めて自己肯定の材料にしていた。元サークルクラッシャー・鶉まどかの考えていたこと

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――クラッシュと言いますけど、それは「自分に男を惚れさせて、サークルというコミュニティを破壊する」という意味で合ってますか?

 壊したいわけじゃないけれど、「男の子から好きって言われたい」という欲望で突き進むと、結果的にサークルが壊れてしまうという。

――サークラの最初は、飲み会で全然仲良くしゃべってたわけじゃないのに、一言会話を交わしただけの男の子にいきなり告白された経験から始まってるんですよね。

 はい。「好き」って言われるのって、めちゃくちゃ楽しいんだなと知ってしまって。正直、私は自己肯定感がすごく低かったけど、でもオタクの、カーストの低そうな男子のことをバカにしているというか下に見ている気持ちもありました。なので、「これくらい(レベルを)下げれば私のことを好きになってくれる男子がいるんだ」とわかって。あとは、女性比率の低いオタクサークルに遊びに行ってみて、「ああ、ここなら私は“女の子扱い”してもらえるんだ」って実感できたのもうれしかった。

――オタサーの姫、と呼ばれる存在とサークラ女性は違うんですよね?

 誤解されがちですけど、違うんですよ。私はシンプルな服装をしていたけれど、いわゆるオタサーの姫って呼ばれるような子たちとかは、超フリフリの服にスニーカーを合わせて、ポニーテールですっぴんみたいな、個性的な格好をしている子が多いです。普通の、ファッション誌に興味のある男女だったら「えっ?」って思うような格好だけど、そういう子が超チヤホヤされる。ただ、オタサーの姫は男集団の紅一点なので、彼らにとっては誰でもいいんです、女の子であれば。それくらい彼らの中での女の子に対する求めるものってすごく「女の子である」ってことが大切なので。

――彼ら、というのは、鶉さんに「クラッしゃられた(=クラッシュされた)」サークルの男性たちということですよね。

 はい。そして「女の子である」ことと、もう一つ大事なのが、「自分たちをキモいって言わないこと」。本にも書いたんですけど、共学校で学生時代を過ごした場合、彼らの多くは女子生徒から「あいつキモいよね」って言われた経験を結構引きずってる。私もそうだったので、気持ちはわかります。

――なるほど。

「あいつキモいなー」とか「あいつオタクなの?」とか「アニメとか見てるらしいよ」みたいな陰口を、あるいは面と向かって言われた経験を、ものすごく根に持ってるんですよね。非常に傷つき、被害者意識をこじらせてるんです。「俺と喋ってくれる女なんてどうせいねーよ」って思ってる。なので、オタサーの姫でも私でも誰でもいいんですけど、女の子が趣味の場に来て同じ趣味の話をしてくれるっていうだけでも株がガーンって上がるんですね。

――それこそめちゃくちゃ嬉しいんですね。

 めちゃめちゃ嬉しい。異性が自分に関心を示してくれたっていうことがとても嬉しいんですよ。で、オタサーの姫がいる光景を身近で見られるところはゲーセンですね。たとえば音ゲーのコーナーに、紅一点でチヤホヤされてる女の子がいます。見た目的には、多分ほんとに渋谷を普通に歩いてる女子高生とか女子大生の子たちの方が何倍も可愛くても、もうそれは関係ないんですね。彼らにとっては見た目よりも、まず自分を受け入れてくれる女の子が大事なので。

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