インタビュー

男子からの「好き」を集めて自己肯定の材料にしていた。元サークルクラッシャー・鶉まどかの考えていたこと

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鶉まどか

「めちゃめちゃ嬉しい!」を連呼する鶉さん

――鶉さんはオタサーの姫にはならず、サークラの道を選択してますよね。それはやっぱり「好き」を欲していたけど、「付き合う」は欲してなかったから? つまり、「好き」をもらうための行動をいろいろ画策するものの、実際に「好き」と言われても鶉さんはその男子と交際しない。するとだんだん気まずくなったりしてそのサークルを離れたり、サークル自体が崩壊したりする。どうして鶉さんはサークラにハマッたんでしょうか?

 「あ、好きって言ってもらうのって、こんな簡単なんだ」って思って、ちょっと面白くなって。で、サークルの男子を攻略する(=「好き」と言わせる)3つのやり方パターンがわかったんです。【1】自分から二人っきりで会うきっかけを作る、【2】相手の理想通りの振る舞いをする、【3】恋愛感情がないとは伝えない。これを編み出し、次々にクラッシュさせて。

――それをすることに抵抗はなかったんですか? 男性の気持ちを弄んでいる罪悪感とか、あるいは変質的に好かれてしまう気持ち悪さとか。「好き」って言われることは鶉さんにとって、純粋に嬉しいだけだったんですか?

 純粋にめちゃめちゃ嬉しかったですね。私ほんとに、花の女子高生時代に近くの男子高校生に石を投げられたりしていたので。

――まあ、その近隣男子高校生の件は本当にひどすぎますよね……。

 そういうことがあったから、同世代の“フツーっぽい見た目の男性”は怖すぎるわって思ってました。大学入って、友達も出来たけど、家族とは上手くいってないし、私このまま孤独に死んでいくんだろうかっていう気持ちが強かったので、私のことを「好き」と言ってくれる男子が現れただけでめちゃくちゃ嬉しい、「あーやったぁ!」っていう感じでしたね。

――でもそこで、「好き」を繋ぎとめたいと思えば男女交際に発展させてたかもしれないですよね。「ありがとう、私もあなたのことが好き、付き合おう」ってならなかったのはどうして?

 もっとたくさんの人からの「好き」が欲しくなったからです。それに、私のことを「好き」と言ってくれた男子のことを、私自身が好きかどうかと言ったら全然そうじゃないし。やっぱり自分も好きな相手とじゃないとお付き合いはできないですよね。私は「好き」っていう言葉が好きで、その言葉をたくさん集めたかっただけなんだと思います。サークラをしていく過程で、私に恋してくれた男の子のことを私も好きになったことはなかったです。すごく付き合いたいって思う男の子は出てきませんでした。で、サークルとは別のところで「すごい付き合いたい!」と思う男の子に出会って、初めて彼氏彼女になりました。そうしたらサークラをする必要がなくなったので、いったんサークラ活動を止めたんですよ。自分の中では、その彼との一対一の関係が大切になったし、彼からの「好き」が嬉しくて他の人の「好き」は必要なくなったんです。彼が私を好きで私もこの人が好き、これで十分満たされたので。

――好きでもない男性からの「好き」の言葉は、たくさん集めて自尊心を高めるために利用することは出来たけど、一対一の「好き同士」の関係の方がよほど心地よいものだったと。まあ一方的に相手から好かれてもね、私だったらすごくイヤだなと思う。サークラ時代、ストーカー被害に遭ったりはしなかったんですか? 気がある素振りを見せておいて振るんだから、恨みを買うこともあったのでは、と思うのですが。

 ストーカーっぽいことは、なくはなかったですけど、そんなに危険な目には遭わなかったですね。

――それは幸いでした。

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