インタビュー

みんな「理想病」の患者。自己中心的な承認欲求を満たしたいだけのオジさん・愛人・オタク、そして私たち

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鶉まどか

鶉まどか『岡田斗司夫の愛人になった彼女とならなかった私 サークルクラッシャーの恋愛論』コア新書

 7月に初の著書『岡田斗司夫の愛人になった彼女とならなかった私』(コア新書)をリリースした元サークルクラッシャーの女性・鶉まどかさん(24)に、サークラとは何か、サークラの餌食になる男性たちの特徴、サークラの理由などを前編でお伺いしてきました。

 この後編では、彼女自身が「あるエラいおじさん」に口説かれた経験から、愛人を求める男性たち、および愛人になってしまう女性たちの心理にメスを入れていきます。

【前編を読む】

キメ台詞「全部受け入れてあげるよ」

――この本の冒頭で、鶉さんがある高名な「先生」のトークイベントを観覧に行き、終演後に口説かれたという話が書かれています。これを読んだだけで「あ、あの人のことだろうな~」とうっすら思い浮かんだんですけど、××さんですよね?

 そうです、××さんです(笑)。

――あらゆるところで「××さんに口説かれた」って話、聞きますもん。愛人話を持ちかけられた話も。キモいなあって思ってました。

 私も気持ち悪さの方が勝ったから、セックスの誘いはお断りしました。LINEとかのメッセージも、対面してるときでも、この人って口説きたい女の子にかける言葉が超~~~~甘いんですよ。「僕なら君を全部受け入れてあげるよ」とか。最終的に、「僕とセックスをすることが君の救いへの近道なんだ」みたいな(笑)。

――気持ち悪すぎる。

 まだありますよ。「身も心も僕に委ねることで、気持ちのいい解放感を君は知ることができる。君は解脱して悩みからも救われるんだ」みたいな。宗教みたいなことをちらちら言ってくるんですね。そんなワケないでしょって(笑)。

――身も心も委ねるって、依存させたいってことですよね。他人に依存して幸せになれることなんて100%ないですよ。

 でも実際にその先生の愛人をやっている女の子って何人もいるわけですよね。で、××さんは、私を口説くために愛人たちの話をしてくるんですよ、定期的に。

――嫉妬して欲しいのかな?

 それもあると思う。「今日は沖縄出張に行ってて、沖縄の31歳の愛人の子とこんなセックスをしたよ。すごい気持ちいいよ、君もどうだい」みたいな(笑)。

――引きますねえ。

鶉まどか

「ええ、ドン引きですね」

 岡田斗司夫の愛人事件も、ちょっと追ってみたら結構、手口が似てて。「僕が君のお父さんになってあげよう」って言ったり、デビューしたいって思ってる漫画家志望の子に「デビューさせてあげるから僕の愛人にならない?」とか持ちかけて。××さんも作家志望の女の子に同じようなことを言うから。

――女の子の側も冷静に考えたらわかるはず。枕営業って、女側が一方的にリスクを負うだけだから。弱みを握られるのとイコール。もし愛人になる代わりに本当にデビューできたとしても、自分の実力でデビューしたわけじゃないって思うだろうからいずれ自己嫌悪に陥りそうですし。

 ねえ。何で「愛人になる子」たちは、そういう甘い囁きを信じちゃうんだろう? ってずっと考えていて。私は××先生に何を言われても、それに乗っかろうとはやっぱり思えなくて、気持ち悪さだけじゃなくて、そうすることが自分の救いにはならないって絶対確信があったんです。

サブカル界隈に限らず、世界中の至るところに、こんなふうにして女の子を食い物にする男たちがいる。しかも××先生も岡田斗司夫も、社会的な地位が確立していて業界内で権力者だけど、見た目は全然かっこよくはないですよね。愛人の子たちは可愛いきれいな子が多い。何でこんなおじさんたちに引っかかっちゃうんだろうっていう素朴な疑問を持ちました。明らかにおかしいじゃないですか。いくら権力があって、甘い言葉をくれるからって、そう簡単に信じちゃうなんて。

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