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猥褻な女の乳首と、不快な男の乳首

【この記事のキーワード】

不愉快な男の乳首、そしてその不安

 男の乳首は出しても怒られない。でも、本当にそうなのか。

 先日、飲み会で同席した女性から「Facebookやってたら、40代の中年の男が突然『ジムに通ってるんだ』と、上半身ハダカの写真をあげてて。そういうの見ると、ホントに嫌な気分になるんだよね~。オッサンの乳首なんかめちゃくちゃゲンナリするじゃないですか~」という言葉を聞いて、私、ドキリとしてしまいました。「え!? 不愉快になる乳首とかあるの!? じゃあもしかして、男の乳首も『出すなや、隠せ』って話になる!?」と。

 その女性曰く、毛が生えていたり、異様にピンクだったり、太っていてヴォリュームがある男性の乳首を見てしまうと「うわぁ……」と不快に思うそうです。しかし結果にコミットするジムのCMのコミット後の姿みたいなのは、まあ、なにも思わない。どうやら、彼女にとってダメな乳首とアリな乳首があるらしい。

 男として30年近く生きてきて、女性の乳首がどうのこうのってのは(色とか大きさとか)、まあ、考えたことがないわけではないですけど、男性の乳首もどうこう批評される対象であるという意識はまるでなかった。男が「見られる性」であることに無頓着で、一方的に女を「見る」習慣だけを身に着けていることは、フェミニズムでもよく指摘されることですが、男が女の乳首を「アリ/ナシ」判定するように、女も男の乳首を「アリ/ナシ」判定していておかしくないんですよ。「俺の乳首は、アリなのかナシなのか!」。

 しかも女性の場合、ヌードグラビアや映画の濡れ場やAV出演しない限り、不特定多数の人間に乳首を観察されることはなく、性交渉の相手くらいですよね。海やプールという場所でもバストは水着に覆われている。一方、男性の乳首は、無防備に露出している……。なんだかいっそ、「男も乳首を出しちゃダメ!」な世の中に生まれたかったような気がしてきました……!!
(カエターノ・武野・コインブラ)

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra