――そんな事情があったんですね……。なら、結婚相手探しに慎重になるのもわかるかもしれません。
M「あと、結婚できたとしても母たちが強烈すぎて旦那さんになる人が可哀相だから、結婚しないほうがいいんじゃないかって思ったりもします。いろんなことを考え始めると面倒くさくなってきて、『結婚しない』と決断して楽になりたい部分もあるのかもしれません。それを母たちが許すかはわかりませんけど」
――結婚願望がない上での生涯独身ならいいと思いますけど、子供を産みたい気持ちはあるようですし、いま結婚しないって決めちゃったら後悔しそうですけどね。
M「いまは28歳で、すぐ結婚すれば子供もすんなり産めるかもしれないじゃないですか。だから選択肢があって迷うんですよね。ただ、もちろん誰でもいいから結婚したいワケじゃないし、母たちのこともあるし……。いっそ一気に35歳とかになって、『これから子供産もうとしても大変だし結婚はしないでおこう』って思いたい」
結婚への葛藤の裏に、母親たちとの関係が大きく影響しているMさん。結婚は当人同士の問題といえども、どうしても双方の家庭が絡んでくる場面はあります。彼女は自分の家族を客観視できているからこそ、悩みが大きくなってしまっているのかもしれません。
また、結婚と出産がセットになっており、「子供はいらないけど結婚はしたい」という選択肢がないことも気になりました。彼女には、結婚相手像だけでなく「結婚生活の形」にもしっかりと思い描いている理想、というより「こうでなければならない」という思い込みがあるようです。とりあえず、焦らず深呼吸して、「母が、祖母が」ではなく、Mさん自身がどうしたいのか考えてみてはどうでしょうか。
(リオネル・メシ子)
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