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「16歳になった瞬間から常に働いています」週休1日、26歳フリーターが抱える葛藤

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 現代社会を生き抜くリアル・ウーマンたちのどこよりもリアルな財布事情に迫る『女の給料明細』。

 今回ご登場いただく女性は、幼少期にご両親が離婚し、母、姉、兄の4人家族の末っ子として育ったRさん(26)。「16歳になった瞬間から今まで、常に働いています」と語るRさんは、現在都内スポーツ用品店“レディースマネージャー”の販売員として週5~6日アルバイトをする傍ら、週1日はキャバクラに出勤するという二足のわらじを履くフリーターです。Rさんの外見は、まさかそんなに働き詰めの日々を送っているとは思えないような、小麦肌で髪の明るいギャル系。そんな彼女の家計簿を公開していただきました。

生活保護支援家庭でした

――16歳から働いているとのことですが、当時の収入と支出を教えてください。

R「初バイトは高校生の時。コンビニで最低でも月10万は稼いでました。学校が長期休みの時はもっと働いてましたね。当時は洋服代、美容院代、化粧品代、あとは友達との交際費で消えてました」

――実家暮らしで家賃はかかってなかったんですね。ちなみに健康保険はお母さんの扶養家族として加入されてたんですか?

R「扶養状態はわからないですけど、自分では払ってませんでした。というか保険証自体持ってませんでしたね」

――となると、医療費はすべて自己負担していたんですか?

R「いや、うちの家族は母と子供3人で、母のパート代じゃ生活がキツかったので、母子家庭手当と生活保護を受けていたんです。なので、もし怪我や病気をした時は、決められた病院に行けば、無料で診察してくれて薬ももらえました

――医療費の上限金額はありましたか?

R「そこまで大病にかかったことはないのですが、軽度の診察であれば上限はなかったです。ちなみに眼科で眼鏡を作るのも無料でした。コンタクトは適応外でしたし、選べる眼鏡の種類も決まってましたけどね。なので、バイトを始めたことも役所に申請していました」

――申請すると支援内容が変わると。

R「そうです。生活保護は世帯の人数や収入によって手当の内容が決まるので、子供が収入を得ると金額によっては打ち切られる場合もあって」

――なるほど。いつまで生活保護支援を受けていたんですか?

R「私が末っ子だったので、私の高校卒業と同時に打ち切られました。母子家庭手当は兄妹3人ともフリーターだったので、私が20歳になるまで減額しながら続いてましたね。お母さんが役所の担当者に『お子さん何やってるんですかー? ちゃんと働いてくださいね!』ってよく言われてましたけど」

突然届いた“赤い紙”

R「高校を卒業してからは、コンビニ→保育園→焼肉屋→居酒屋→リゾートバイト→スポーツ用品店でバイトしてきました。その間、常にキャバクラと掛け持ちですね。基本的には週5~6日勤務で、平均20万円前後稼いでいました」

――10代までは全額使いたい放題ですが、20歳になるとまず住民税がかかりますよね。

R「そうなんですよ。でも、私それ知らなくて。20歳になった時に突然請求書が届いて、初めて住民税の存在を知りました。国民健康保険に関しても、同時期に保育園のバイト中に怪我して知りましたね。腰を打ってしまって、病院でMRI検査を受けたんです。そしたら『保健証がないので実費になります』って言われて3万円請求されたんです。その時は全額支払ったんですが、『保険に入って後から保険証を提示すれば差額を戻します』と言われたので、その足で区役所に行って保険に加入しました」

――その後はずっと国保ですか?

R「はい。でも、住民税と健康保険料は払ったり払わなかったりで。払いそびれて延滞金もプラスされてたり、今どこまで払ってるのか把握できてません。『とりあえず催促来たら払おうかな』と思っていたら、催促通知が来なくて1年間くらい払ってなかったこともありました。それが今どうなってるのかも……」

――住民税と健康保険料の滞納分と次回納税分の請求書が同時期に届くこともあるので、一度わからなくなってしまうと、どれがどれだか把握するのが難しくなってしまいますよね。

R「そうなんです。それ以外にも、私『どうせもらえないし』って年金を1回も払ってなくて、通知も無視してるんですね。そしたら『差し押さえるぞ』っていう“赤い紙”が届いたみたいで……」

――「みたい」ということは、ご自分で読んでないんですか?

R「読んでません。というのも、お母さんが再婚して、私も戸籍上は連れ子としてその人の子供になったんです。そういう事情もあって、私は24歳から一人暮らしをしてるんですが、住民票を移してないので、そういった請求書は全部再婚相手と母が暮らす家に届くんですね。いつもはスルーしてたんですけど、その“赤い紙”の宛名は再婚相手の名義だったので、お母さんが『これはさすがにまずい』と思ったらしく連絡が来たんです。金額を聞いたら60万近くて……急に言われても無理じゃないですか。貯金なんてしたこともないですし。なので、『とりあえず今すぐ15000円払えば大丈夫』ということにしてもらって差し押さえは間逃れました。お母さんが役所の人と話をつけてくれたので、何をしたのかはわからないんですけどね」

――それって分割支払いかお母さんが立て替えてくださったのではないですか?

R「お母さんは一応パートで働いてましたけど、そんな余裕はなかったはずなので、立て替えてくれてはいないと思います。でも、わからないんですよね。本当に何も把握してないんです。今も滞納中ですし……」

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